こ話
ずるいです[ルカメイ]
茹だるような暑い夏の日、
2人だけのリビングで、メイコは雑誌を読んでいた。
「めーいこさんっ」
「なによ。」
雑誌から視線を上げずに、ルカに言葉を返す。
「好きです。大好き。愛してます!」
「あー、はいはい。」
軽くあしらうメイコに、ルカは大袈裟なリアクションで
「酷いです!そこは『私もよ、ルカ』って言う所でしょう。」
と言った。
「言わないわよ、そんな事…。大体あんた今日は、そればっかり言ってるじゃない。」
そうなのだ。
カイト達が出掛けてからというもの、ルカはずっと好きだのなんだの、と言ってくる。
「何回言ってもメイコさんに、伝わらないから言ってるんです。」
「……頭、暑さでやられたの?」
「いつにも増して、冷たい!そんなメイコさんも好きですけど……、
やっぱり2人だけの時は、私を見ていただきたいです。」
……ああ、そうか。そうだったのか。
メイコが頭を上げると、目の前には拗ねたような表情のルカがいた。
まだまだ子供ね…、と思いつつ雑誌を閉じ、桃色の髪をなでる。
「ねぇ、ルカ。私もよ?」
「っ……、!」
「私もルカが大好き、愛してるわ。」
「……メイコさんはずるいです。」
大人はみんな、ずるいのよ
そう言って、桃色を抱き寄せた。
・*・*・*・*・*・
暑いね、ルカメイ。
暑いのに抱き合ってる二人……
たまには構ってもらいたいルカさんも、いいですね。
ここまで読んで頂いてありがとうございました!
(2010.7月拍手お礼小説)
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