求愛宣言![ヨミメイ]
※女体化です。氷山キヨテルの女体化で氷山キヨミ×MEIKOというCPです。ヨミメイヨミ風味です。苦手だという方はブラウザバックで御戻り下さい。
レコーディングの合間に一人、休憩室で本を読んでいると、同じボーカロイドであるMEIKOさんに話し掛けられた。
「キヨミ先生、分からない所があるんだけど…」
そう言って彼女が口元をニヤつかせながら、手を上げてひらひらと動かす様は、まるで子供だった。
けれど彼女は私の生徒などではなく、しかもきっと私よりも年上な気がするのだ。きっと真面目な質問なんて、いつも通り期待はできないだろう。
「……なんですか、MEIKOさん。」
そうやって私が聞き返せば、満足げに口元を吊り上げる。赤いルージュがMEIKOさんの白い肌と、整った形の良い唇によく合っていた。
まじまじと見つめれば、光を受けて亜麻色にさえみえる彼女の髪は、彼女の華奢な指によってかき上げられ、掬いとられる。
「キヨミ先生、恋愛の仕方が分からないんだけど。」
悪戯っぽく笑う彼女に、私はこの無茶な質問への回答は無意味だと悟る。
MEIKOさんは所詮私を困らせるために、問いを投げかけているのだろうと、鈍りかけた頭で考えたからだ。
「その質問に答える義務はありませんね。」
「なんで?答えてくれないの?」
「それは……」
口ごもる私にすかさず彼女は追撃をするように問い掛ける。
「それは、恋愛した事がないから…でしょ?」
ふふっ、と笑う彼女。
事実、私は恋愛経験と言うものがない。しかも興味すら無かった。確かに男性からのアプローチはされた事こそあるが、全て私から拒絶してしまったのだ。
理由は簡単で明確だ。私には必要ない、と思ったからただそれだけ。
「いけませんか?ボーカロイドとしての仕事を優先させていたらそうなっただけです。」
「嘘ね。だってキヨミは美人だから、他の男共が放って置くはずないわ。」
貴女の方がよっぽど美しいです、という言葉を急いで飲み込む。
もうこの話題は嫌だと感じたからだ、ただそれだけ。私には歌があればいいのだ、そう思って生きてきた時間が長かったせいか、いつしか私の思想はソレに固執するようになってしまった。
「…質問はそれだけでしょうか?そういう事だったら、恋愛経験が豊富そうな方に尋ねた方がいいですよ。」
私はもう出ていって欲しいと言わんばかりに冷たく言い放ち、また本を開く。
きっとからかわれたに違いない、と思いつつイライラをぶつけるようにMEIKOさんを睨んだ。
けれどMEIKOさんは露ほども気にした様子もなく、ニコニコと整った顔をこちらに向けつづけたままだった。正直理解が出来なかった。
「キヨミ、私ね…こう見えても人並みの恋愛経験はあるのよね。」
「は、はぁ……」
突然語りだしたMEIKOさんを私は不思議に思いつつも、大先輩である彼女をそこまで邪険にもできずに、相槌を打った。
「それなのに変なのよね、今まで積み重ねてきた経験だとか…全部が通用しない相手っているのね。」
もはや恋愛は愚か、他人とそういった話をしない私にとって、はいそうですよねなどと簡単に言えるはずもない。私にできる唯一の事は、MEIKOさんの話をただ黙って聞くことだった。
「私、好きな人がいるの。誰よりも努力家で正義感強いんだけど、時に危なっかしくて可愛くて……とても魅力的な人。」
「そうなんですか…」
一体何が言いたいのか、と言いたげに見つめるとMEIKOさんはまた微笑み返した。
「私、キヨミの事が好きなのよ。だからこれから覚悟しなさい。」
悪戯っぽく笑う彼女。
もはや私の頭は理解が追いついてはいなかった。一体何が起きたのだろうか、まったく分からない。一つわかる事とすれば、
「は…あ、あの……すみません幻聴ですよね?」
「何言ってんのよ。私はあんたが好きだから、全力で私の物にするって今宣言したのよ!」
今の状況からして私がわかる事は、MEIKOさんに告白されたという事だけだった。
もはや冗談ではすまされない事だけに、私の思考回路は鈍る一方だった。
「MEIKOさん、私は女ですが…」
「性別なんて些細な壁だわ。」
そう言って笑う彼女を見て、私はあまりの現実味のない出来事だと思い、
とりあえず深い深呼吸をする事から始める他無かったのだった。
・*・*・*・*・*・*・*・*・
とあるきっかけでヨミメイ妄想がとまらなくなりまして…
あまりにヨミメイが好きすぎて、ついにSSにしてしまいました…!
キヨミさんの外見は、眼鏡でスーツでロングヘアーで先生なお姉様だと私は勝手に妄想しています。スーツ大好きなんです…!
それにしてもセメイコですね。キヨミさんが奥手な分、メイコがどうしても攻め攻めしくなりますね、やっぱり。男前メイコ好きです。
それにしても需要あるのかな…このCP…
これからどうなるか分からないCPですが、ちまちま増やしていきたいのでよろしくお願いします!
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