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お見通し[テトメイ]

突然だが、メイコは幼い。
外見ではなく内面の話だ。

しかし、見た目はまさに大人の女性と言ったところで、魅力的なスタイルに加え整った美しい顔だ。性格も周囲からは、男勝りだとか姉御気質だと言われている。

そんな周りの評価を思い出しつつ、今自分の隣にいるメイコを見るとなんだか笑えてくる。 堪えきれずに小さく笑うと、メイコはこちらに気が付いたようで不思議そうに

「なによ。私の顔に何かついてる訳?」

と言ってきた。

「べ、別になんでもない…!」
「そう?でもテト、あんたぼーっとしすぎ。…疲れてるみたいだし、今日はもうやめにしましょうか。」

そう言ってさっきまで見ていた楽譜を片付け始めるメイコ。
しかし残念そうな様子はなく、むしろメイコの方がやめたがっていたようだった。
僕も久々に恋人と二人きりなのに、歌のレッスンばかりやっているのも物足りないと考えていたので、静かに楽譜を机へ置いた。


「メイコ。一つ聞いていいだろうか…?」
「…なによ?あ、お茶にする?美味しいクッキー貰ったから、テトに食べさせたくて…」
「別に僕はお腹がすいた訳じゃない。どうして…その……、」
君は僕と手を繋いでいるんだ?と聞けば、メイコは笑って言った。

「だって私、テトと手を繋ぐの好きだし。」

なぜか、僕はこの言葉に少し引っかかりを覚えた。なんだかメイコらしくないからだ。
勿論本心かもしれないが、どこかセリフを並べたような印象さえ受ける。

「そ、そういう問題じゃ……。」
「なによ。テトは私と手を繋ぐのは嫌なのー?」


不満げに、嫌だったらいいわよと漏らすメイコ。今まで僕の左手を独占していた愛しい体温が、名残惜しそうに離れていった。
そういう意味で言った訳ではなかったが、わざわざまた繋いで欲しいだなんて言えそうにない。今だけは可愛げのない自分の性格が憎らしい。


「君は…、幼いな。」
「幼児体型なテトに言われたくないわよ。」
「いや、別に外見の事を言った訳ではないぞ。」

図星なのでむっとしながら答えると、冗談よ、だなんてメイコは笑った。


「なんでそうやって手を繋ぎたがるんだ。部屋にいるんだから、わざわざそんな…。」
「なんでって…テトが好きだから。」

いまさらなんなんだと言いたげに見つめるメイコをみて、なんだか自分が悪い事を言ったような気さえしてしまう。


「言っておくが、普通の恋人は四六時中手を繋いでる訳ではないんだぞ。」


そう告げれば、メイコは驚いた様子だった。 メイコの事だ、テレビや雑誌の情報をそのまま鵜呑みにしたのだろう。
世話が焼けると思うと同時に、可愛くて愛おしいという感情が沸き上がってきた。

先ほど手放された左手で、メイコの右手を握る。その手はさっきよりも少し熱くて、メイコが恥ずかしがっている事を語っているかのようだった。


「メイコ。焦らなくていいんだ。」

黙るメイコに言えば、繋いだ手を小さく握り返される。

「君のペースで構わないんだ。無理に愛情を形に表す必要はないと、僕は思ってる。」
「…テトは、それでいいの?」


なぜか泣きそうな声で問われたので、出来るだけ優しい口調を努めて答える。


「ああ、勿論だ。メイコの本心からの行動の方が、もっと嬉しいから。」
「…テトは私の事は、なんだってお見通しなのね。」

拗ねたように言うものの、なんだか嬉しそうなメイコ。そんな彼女を見て、僕もつい顔をほころばせた。


「まったく…なんで私の事、そんなに詳しいのよ…」
「君は実に馬鹿だな。そんなの……」


君の事が好きだからに決まっているだろう?

と耳元で囁けば、赤い顔をしたメイコは僕に向かって幸せそうに微笑んだ。




・*・*・*・*・*・*・*・*・

テトメイ甘!
赤色コンビが本当に好きです。
テトメイのメイコさんは、精神的に幼め。逆にテトの方が実は大人びていたり……。
まあ実際の年齢も、テトの方が年上っぽいし…いいですよね。メイコは気持ち的に20才とちょっとくらいかなぁー、と。
どちらにせよ、二人は10才近く差があるんですよね…!

ではではここまで読んで頂いてありがとうございました!





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