ハロウィンと誓い[ルカ→メイ←カイ]
※ギャグ風味。
またルカとカイトがちょっとアレです。
カッコイイ二人が好きな方は、戻る事を推奨します。
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今日はハロウィンなので、世界で一番愛しい人にお決まりの台詞を言おうとした。
けれどそれではおもしろくない。
私は少し躊躇ってから、とびっきりの笑顔でこう言った。
「メイコさん、私はお菓子を持っていないので是非悪戯して下さい」
「お断りよ。」
メイコさんもまた、とびっきりの笑顔だった。
「えー…ハロウィンなんだから、たまにはノって下さいよメイコさん。」
「イヤ。っていうかお菓子ならあるわよ。」
「ええっ!?メイコさんお菓子持っているんですか?お決まりの『お菓子を持ってないから悪戯する』っていうのが出来ません!」
「知らないわよ…。あんたが去年それをやって来たから、今年はきちんと用意したわ。」
そう言って取り出されたのは、市販ののど飴。ミルク味だった。
ハロウィンらしい可愛らしいお菓子を想像していた私の期待は、見事に裏切られのだ。
メイコさんらしいと言えば、メイコらしいのだが。
「リンとレンとミクの為に用意したの。ほら、あんたにもあげる。」
「あ、ありがとうございます!一生の宝物にしますね!」
「いや、早く食べてよ。取っておくとか気持ち悪い。」
「メイコさんから頂いたものは、全部宝物ですから。」
そう言って私は貰った飴を大切にハンカチに包みポケットに入れた。
よし、またメイコさんコレクションが増えたわ。
「でもメイコさん。多分渡されたお菓子がのど飴だったら、ミク達ガッカリしますよ……?」
「そ、そう?ミルク味だし可愛いじゃないの。美味しいわよ?」
「可愛いのはメイコさんです。ここはやはり、一般的なロリポップやクッキーなどをあげるべきでは…?」
「そうなの?ルカは詳しいのね。」
一応は帰国子女という設定である。ここはしっかりと勉強済みだ。
「じゃあ、これから一緒にお菓子買いに行きませんか!?私もお菓子をまだ買っていないので。」
「そうね…。私が選ぶよりもルカが選んだ方が良さそうだし。いいわよ。」
私は心の中でガッツポーズを決めた。
これは所謂デートだ。あーでもないこーでもないと、色々選びながらメイコさんとイチャイチャできるチャンス。
考えるだけで楽しみで、口実になったミルクのど飴には本当に感謝だ。
ところが、
「あれ、めーちゃん出かけるの?」
腐れアイス男こと、カイトがやってきた。
「ええ。ルカとハロウィンのお菓子を選びに、近くのスーパーまで行こうと思って。」
「あ、ミク達にあげるお菓子?」
「そ、そうよ!だからお前は失せなさい腐れアイス野郎。」
だがアイス野郎は怯まずに、むしろ優越感に満ちた表情で笑った。
そしてメイコさんに優しく言った。
「行く必要ないよ、めーちゃん。さっきパンプキンパイが焼けたんだ!それをミク達にあげたらいいよ。」
それは私の予想外の提案だった。
勝ち誇ったような腐れアイスの笑みが、非常に腹立たしい。
誤算だった。呑気にアイスだけ食べていればいいものを、私とメイコさんのデートを邪魔しにくるとは……。
「なっ……そんなパイごときでハロウィンを済ませようなんて……」
私も苦し紛れに言ってみたが、
「じゃあそれでいいわね。ありがとうカイト。」
メイコさんのこの一言で全てが決着した。
「ふふ…ルカ、悪いけどめーちゃんと二人で出かけさせる訳にはいかないよ!」
「黙れヘタレ野郎。あなたなんて××で×××になればいいのよ。」
思いつくかぎりの言葉を投げつけてみるが、このアイス男にはそれは逆効果だった。
完全に喜ばせてしまった。
まったく今日の私はどうかしているようだ。
来年こそはメイコさんとデートする事を心に誓い、
私はのど飴の入っているポケットをそっと撫でた。
・*・*・*・*・*・
久しぶりの更新が…これとか……
すみません。メイコが可愛いのがいけないですよね!^^
この3人が好き。大人組万歳!
とりあえず、ハッピーハロウィン!
ではではここまで読んでいただいてありがとうございましたー!
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