夜月微笑み 桜は唄う
逃げた先は
__________
______
「ハッ…!ッ痛ぇ…」
…ここ、どこだ?
っダメだ、状況を整理しようにも…頭はクラクラするし、体も熱いしで気が散っちまう!
「__おっ、やっと起きたか?」
「ッ!?イッ…」
そんな時に、急に知らない声が聞こえてきたから素早く起き上がろうとした…が足に鋭い痛みが走りできなかった。
「おい、急に起き上がると傷に響くぞ…ってもう遅いか」
あぁ、?傷…そういえば、さっき刺客の奴らに襲われて…
「お前、傷口に菌が入って熱でてるから、あんま動くんじゃないぞ?」
今度はゆっくりと体を起こして声のする方向を見ると、すぐ近くにあのフード野郎がいた。
「ってめぇ、一体何者だ…」
「だから、通りすがりの迷子だ」
「どこのご時世に、こんな夜に山ん中入ってしかも迷子になる奴がいるんだ!」
「ここ」
そう自分を指差しながら、この男は言い切りやがった。
「ッ〜!!ふざけっ」
「じゃあ聞くが、なんでお前もこんな森の中にいるんだ?」
怒鳴ろうとする俺様の声を遮って、今度はフード野郎が問いかけてきた。
それに俺様が黙り込むと、フード野郎が顎に手をあてて
「…まさかお前も迷g
「ちげぇよ!!」
…チッ、ではお前は何者なんだ?」
コイツ、今あからさまに舌打ちしたな…
…って、
「てめぇ…俺様が誰なのか知らないのか?」
「知らん」
フード野郎のその言葉は、俺様に何気ショックをあたえた。
いや、待て待て良かったんだよこれで。
(正体バレずにすんだし…)
「あーでも、どっかの王様だったのか?」
「!?」
息を飲み、フード野郎を凝視する。
「いや、さっきの奴らがお前の事"元王様"って言ってたからさ」
そう言った後、フード野郎は体をすっぽりと覆ったマントから生魚を数枚取り出し、焼き始めた
…いや、何マントの中に生魚入れてんだよ
(臭うぞ)
って、そうじゃない!
「…てめぇ、何も聞かないのか?」
「興味なし、腹減った」
「おー焼けた焼けた」と嬉しそうな声をあげて二つのうち片方に噛みつくと、もう片方をこっちに突き出した。
「?くふぇほ、ふはいほ?」
(訳/?食えよ、美味いぞ?)
ジッと魚を睨んでいたが、目の前の男があまりにも呑気に食っているのを見て、無言でそれを取り食いついた。
食い終わった後、俺様は何故か…
本当に何故か
「…てめぇの言う通り、俺様は王だった。
…リオンのな」
フード野郎に正体を明かしていた。
自分でも、何言ってんだと思ったが
「…へぇ…で?何でリオンの王様がこんなところにいるんだよ?」
多分…
「…ハッ、聞いて呆れるぞ?__」
この男がどんな反応を見せるのか、
気になった、んだろな…
[眠る?」[唄う?」
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!