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R&C-薔薇と冠-



ああ、でも──シシア、そうだ、シシアはどこだろう。


弾かれたように辺りを見回す。

いなかった。

どうして気付かなかったのだろう。
いつからだっただろう。

シシアが、いつもわたしの側にいてくれたシシアが、今はいない。


心臓が突然痛い程に暴れ出して、汗が噴き出した。

わたしの中の靄はもう消え失せていた。



どうしよう。ダメだ。怖い。

シシアがいないと、また。また。また、




「し、シシアが、わたし、シシアがいないと、いてくれないと、わたし、わた、し、」

「うわっ!えっ!?なな何で泣くの!?俺何か悪いことっ」

「待って!!アドリュード、触らないで。その子…」


体が酷く重くなって、腰から砕け落ちた。
固い石畳が、わたしを嫌そうに受け止める。




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