チルチルとミチル(完)
け
文字で会話するのに頭の中ではあの声で再生される。
顔、見てみたかったかもな。
「静雄は、もう決めたんだな?」
『…セルティ?』
「この世界とは別の世界があるんだろう?」
『!……あぁ…』
「もう一人の私から、三日後に道ができる…と」
『そうか…わかった』
なんで知ってるんだろうかとか、またあの世界に行けるとか。
なんだかしっくりきた。
俺の体はもう、この世界よりもあっちの世界に馴染んでいる。
感覚も、匂いも感じ方も。
帰ってきても、実家みてぇに…どっか安心できるけど俺の居場所じゃねぇみてぇな。
セルティは、見たこともねぇ…もう一つの世界を信じるのかとか色々。
聞きたいこともあったが、聞いてもどうせ俺にはわからねぇ。
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