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チルチルとミチル(完)



サイドテーブルの日付も表示される時計を見て、改めて驚く。


本当に…一週間も、経ってないのか。

気持ちを落ち着かせるために深呼吸をして、同時に懐かしく思う…間違いなくここは新羅の家の病室だ。

数年分の何かがあったなんて分かる筈もないが、新羅には俺が消えた数日間になにかがあったことを悟ったんだろ。

相変わらず、お人好しなヤツ。


こんな俺のことを友達だと当たり前に言ったお前。

変人だって皆言うけどな。

セルティと幸せそうにしてるのを見ればやっぱりただの男だろうと思う。

いいじゃねぇか首ぐれぇ無くても。

二人とも幸せそうだし。

甘ったりぃし…ま、「ふうふえんまん」ってやつだろ?きっと。



コンコン…

『…セルティか?』



返事の変わりにもう一回コンッとドアが叩かれる。

入っていいと声をかければゆっくり開く扉。

俺が思い出したのは向こうの世界でのセルティ…船の上に立っていた、あの世界の親友の姿。


久しぶりだな、と書かれた画面をみて頷く。

セルティにとっては二週間かそこらだったかもしれねぇが、俺には一週間と消えてからの何年分もの記憶がある。

俺の知ってるセルティに会ったのは…正直、久しぶり過ぎるくれぇだ。

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