チルチルとミチル(完)
ま
ぼんやりとした視界。
何日も眠っちまってたんだろう。
白い壁と消毒液の香り、揺れてない…ベッド。
見覚えのある、部屋。
覚醒していくうちに安心と違和感が逆転していく。
違う。
『うそ、だ…』
どうして。
俺が決めたのはここじゃねぇ。
何度も世話になった…ここで何度も傷の手当てをしてもらった。
白衣を着た友人の部屋。
ここは…。
ガチャッ…
「あぁ、目が覚めたのかい?静雄…」
『…新羅』
情けねぇ顔だったんだろう、少しだけ俯いた新羅はいつものように笑いながら俺の方へ向かってきた。
聞けば俺は数日間行方不明だったらしい。
たった、数日間。
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