チルチルとミチル(完)
な
…でも、最初は怖かった。
ティーチみてぇなのが他にもいるんじゃねぇっかって、他の家族に悲しい顔させる野郎がいるんじゃねぇかって警戒してた。
疑心暗鬼になってた。
ぐるぐる悩んで柄にもなく悩んで…息詰まって、吐くとこまでストレスため込んで。
でも、信じるしかねぇ。
家族に教わった…目に見えるもん全部疑うより、自分を信じて家族を信じること。
どうしようもねぇ俺のトラウマみてぇなのが良くなってきた頃だったな…エースが捕まったのは。
ティーチの仕業、だと。
どこまで喧嘩売ってんだあの野郎。
政府でも監獄でもぶっ潰してぶっ壊して助けに行こうって、言いたかった。
でも、船長は親父。
なによりもエースを可愛がって心配してる親父が動かねぇ。
期を待て…俺は馬鹿だから分かんねぇが、親父を信じて待った。
我慢して我慢して、やっと助けに行けた。
『…俺は、目ぇ覚ますのか』
「そうだな」
『そうか…セルティ…じゃ、ねぇのか?』
「別に構わない」
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