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チルチルとミチル(完)



忘れたことを思い出すときの、もやもやっつーか変な気持ち悪さが頭に巡る。

どこからが違う?

俺はこの世界に来た。

もう何年も経ってる筈だ…俺は相変わらずバーテン服だが、幽に貰ったのはタンスに大事に仕舞ってある。

あの思い出は?

違うのか、いや…どうしてこんなに曖昧なんだ?

思い出したくねぇ…だって、あれは…。


あんなの、酷ぇじゃねぇか。

俺の幸せだった世界を、時間を…返せよティーチ。


ただ考えたくなかっただけで…できれば、ずっとこの優しい世界に溺れていたかった。

夢、って…死んだ後にも見るもんなんだな。

…あれ、死んでんのか?

俺でもあれは死ぬか流石に…。


現実っつーのは酷だ。

どうしても俺の望んでた方になんか向きやしねぇ。



『俺は死んだのか?』

「…まだ死んではいない」

『そうか。あいつらは…?』

「辛うじて生きている」

『そうか…』



全部思い出した。

俺がここに来てから賞金首になったこと…んで、結局マルコの補佐になって。

何年か経った。

あれから仲間も増えてった。


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