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チルチルとミチル(完)
I am likely to develop heatstroke.

sideーイゾウー


可愛い可愛い俺のシズオ。

お前には何を着せても似合うんだろうねぇ。



『イゾー、さん…?』

「シズオ…お前。着物、着てみないかぃ?」



船は港に着き、夏島。

今のチラリと見える胸元も暑さで火照った肌も禁欲的なベルトも…あぁ、可愛いんだけれどね?

どうせなら俺の箪笥に寝むってる着物でお前を飾りたいのさ。



「兄さんの願い…聞いてくれるかぃ?」

『…ッス』

「よかった…」



やっぱりシズオにはお願いが一番効くねぇ…皆も真似すりゃあいいのに。

指くわえて待ってるなら犬だってできるってもんだ。



「さて、行こうかねシズオ」



シズオの白い肌には赤も似合うだろうねぇ…金の髪には青もよく似合うよ。

あぁ、迷っちまうね。

前に買ってあげた着物はしっかりした生地でできてるから暑いだろう?

着方によっちゃあ洋服よりも涼しいのにさぁ…マルコが選んだ服ばっかり着るなんて。

お前は俺を試してるのかぃ?

可愛いヤツだねぇ。



「ほぅら、できた…」

『…涼しい』

「だろう?」



紺の着物に黒に金糸の入った帯…それに真っ赤な帯留め。

帯をリボン結びにしたのが、似合ってる。

可愛いねぇ。

髪を軽くまとめて簪で止めてやれば完璧さ…どうだい。

俺のシズオは可愛いだろう?



「……シズオ、かよい?」

『お、おう…』

「今日のおやつはかき氷だよーって、え…なにこれGJ着物!」

「俺のシズオは可愛いだろう?」

『俺の…って…』

「「ブッ…!!(鼻血)」」

「おや、ダメだよシズオ…」



照れた顔なんてぇ刺激的なモン見せられて、頭が沸騰しちまったらどうするんだい。



「責任、取ってくれんのかぃ?」

『せっせき…?』



逃がさないよ。

腰を引き寄せて顔を近づける。

知ってるんだよぉ、俺の顔…色っぽいと思ってくれてんだろう?

微笑めばカクンッと力の抜ける体。


I am likely to develop heatstroke.
(熱射病になってしまいそう)


『俺、も…無理…』

「おやおや…これぁ据え膳ってぇやつかねぇ」


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