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チルチルとミチル(完)
What is my search thing?


「サッチさんのーっ親父に海の幸食わせ隊!!」

『なにやってんだ?サッチさん』

「ん?気合い入れてた」



暑くて喉が乾いた俺。

いつものようにキッチンに行ったら珍しく誰もいなくて。

無人島だし三日目だから昨日でほとんど戻ってきた筈なのに。

氷にお茶を入れて飲みながら甲板に出ると…サッチさんが準備運動していた。

パン一で。



「そうだ、シズオも一緒にしねぇ?」

『…何を?』

「小首傾げてなんで可愛いかな、男のくせに…」

「親父のオツマミ採ろうって素潜りしてるんだよ!」

『ハルタさん…』



よく見れば、パンツだとばかり思っていたのは海パンっぽい。

俺海パン持ってないしなぁ…。

まぁ、家族以外に誰も見てないから普通のパンツだって構わないんだろうけれども。


結局俺は暇だって理由で素潜りに参加する。

何しろ暑かったから。

上を脱いで下も脱いでモビーからそのまま飛び込む。



『ぶはっ!っきもちー…』

「どっちがでかいの採れるか競争しようぜ!」

『っは、負けねぇよ!』



どちらともなく海に潜る。

深く潜って岩場を探せば鋭い殺気。

俺に喧嘩うることがどういうことだか、その体に教えてやる。


その時の俺は夢中で気がつかなかった。



「ん?なんだよい、これ…」

『勝ったーっぃよっしゃー!今日はたこ焼きだ!!』

「え、なにそのタコでかっ!タコでかっ!?」

「ん?なんだこの文字…?」



カナヅチのせいで潜れず、せめてと釣りをしていたマルコが釣り上げた黒いそれには名前が書いてあった。

カタカナで「シズオ」。

当然読めるわけがない…首を傾げてそれを広げてみる。



「あれ、お前…っ!!」

「待て!水から上がるなシズオ!」

『うおっ!?』

バッシャーンッ…!

「「「お、おまっ…パンツどこやったぁあああっ!?」」」



タコに剥がされていたパンツを、マルコが釣っていたことを。


What is my search thing?
(探し物は何だっけ?)
It is clear that it is not underwear.
(パンツじゃないことは確かだね)


「可愛いよい…アイツ、下着に名前なんて書いてるんだねぃ…」

「「「どこでそれをっ!?」」」


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