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チルチルとミチル(完)
2

sideーマルコー



これが幸せだってぇ顔だ…って、わかったよい。


遠慮するシズオをどうにか説き伏せて買い物に連れ出した。

迷子にならないように手を繋いで、なんて。

ただの口実に過ぎねぇけどよい。



「んー…これの違う色はあるかよい?」

「探して参ります、少々お待ちくださいませ…!」

「そこの…!」

「はいっ」

「これに合いそうなベルト何本か見繕ってくれよい!」

「ただ今お持ちいたしますーっ!」

「これ在庫ねぇか調べてもらえるかい?」

「かしこまりましたーっ!」



結果。

可愛いシズオを着飾るのは楽しい。

途中でシズオが買いすぎだと言ってきたが聞かない。

親父から預かってきたのは、店ごと買えるような金額だよい。

シズオが遠慮するから沢山持ってきたが半分見せたら気絶しちまいそうだったから、もう半分は置いてきた。


買い物を終わらせて疲れたような顔のシズオをカフェに誘う。

折角だから甘いものを頼もうとシズオを見れば…あぁ、見ちゃいけなかったかねぃ。

思わず心臓がきゅってしやがった。

思春期でもあるめぇし。



『うまいッスね!』

「そうだねぃ…」



帰り道、多少重いが片手に荷物を持って手ぇ繋いで帰った。

買い忘れがあるとも知らず。


発覚したのは夜。



『マルコ!』

「なっ!?っなんつー格好で…っ!」

『パンツ買うの忘れた!!』

「あ…」



シズオが風呂に入った後のことだった。


I have forgotten to buy underwear.
(パンツ買うの忘れた)


こういう時は、俺の貸してもいいんだろうかよい…。


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