チルチルとミチル(完)
は
気がつけば水の中に落ちてた。
珍しく朝寝坊をした俺は、社長とトムさんに軽く叱られ落ち込んでいた。
寝ぼけた俺が目覚まし時計を握りつぶしていたらしく、何かあったんだろうかと心配してくれたトムさんからの電話に俺は文字通り飛び起きた。
俺の帰る部屋に待ってるのは、ただの鉄の残骸と変えてしまった元時計だけだ。
何か虚しい。
謝る俺を、何にもなかったならよかったと笑ってくれるトムさんはやっぱかっけぇ。
社長にはこれで新しい目覚まし時計でも買いなさいと渡されたお金をポケットにねじ込んで、俺はいつもより気合いを入れて仕事した。
『俺の前で、臨也の話をするってことは…死にたいんだよなぁ?そうだよなぁっ!?』
バキッ
「うひゃぁあああっ!」
「…おーい、静雄。マック行くべ、マック。トムさん腹ぺこ」
『!うッス…!』
途中でドア一枚壊しちまったけど…今日は人殴らなかったし、集金もいつもよりもっとスムーズだったって…トムさんに誉められた。
当たり前のことなのにトムさんは俺に頑張ったご褒美で、シェイクをご馳走してくれた。
だから今日はいい日だと思った。
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