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チルチルとミチル(完)
You were God certainly.

第三章後。

ーside臨也ー



「あーぁ、行っちゃった」



あんまり深くない筈の噴水に金髪男が消えていったのをどこか冷めた頭で見つめていた。

こうなることを知っていたのか、俺は…望んでいたことには間違いない。


首なしが振り向いて立ち止まる。

俺が見てておかしいのだろうか…あぁ、充分可笑しいんだろうな。

分かってるよ自分でも。



「聞き流して欲しいんだけどさ…」

「……」

「俺は静ちゃんを殺したいほど憎んでいたよ…だけど、彼程俺の感情を引き出せる人間は二度と現れないだろうね…そう、二度と…だ」



俺の独り言を聞いた首なしは、何時ものように爆音と嘶きを轟かせながら去っていった。

白と黒…彼を彷彿させる一枚の紙を残して。

そこには乱暴に書きなぐった一言。

いや、消しては書いての跡も見えるから一言じゃないのかもしれない。



「…ふ、ックク…『俺以外に殺されんなよ』って…本当、最後まで…」



俺は白いそれを細かく細かく千切り、風に乗せて…少しだけ、ほんの少しだけ泣いた。


You were God certainly.
(確かに君は神だった)
In this way, I can cry.
(こうして、私は泣くことができるから)


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