*Dearest* 50.さいごの笑顔 空を仰ぎ、瞳に青を落とし閉じ込めて大きく息を吸い込んで俯く。 「ああ…会いたいなぁ…」 呟いた声は轟音に消え、オレは小さく笑った。 自嘲でも恐怖に歪んだわけでもなく、単純に、会いたかった。あの、銀の子に。 抱き抱えた自分の息子が泣き声を上げる。優しくなだめてから、術式の真ん中に置いて短刀を引き抜いた。 一呼吸。 二呼吸目で九尾を見詰め、短刀を口にくわえて印を結び始める。 …さよならだ、カカシ。 「先生!!!!!」 最後の印の直前にその声だけは耳に届いた。 術を途中で止めるわけにはいかない。少しだけ目線をそちらへ向ければ、息を切らして泣きそうな君の顔があった。 大丈夫、それを伝えたくてオレは笑った。 ちゃんと笑えてたかな… 前を向いて最後の印を結ぶ。 ああ、君に会えて良かった… **** 死ネタ;;これは数年前に書いたやつです。数年前、一部にシメナワ先生と呼ばれていたときから四代目大好きでした。今彼を扱えて幸せです+ 琉流 [*前へ][次へ#] [戻る] |