真面目な委員長?
一時帰宅
騒がしい寮内。
バタバタと大きめな鞄を持って走る者、何も持たずノンビリと歩く者様々だ。
GW初日。殆どの者が帰宅する為に準備をしている。
寮外には車が沢山止まっている。大半がリムジンと長い為、車が長蛇の列を作っている。
先程、遊と真虎と別れて俺は軽い鞄を持ち寮外に出た。
俺も他の奴らと同じで一時帰宅だ。
「日和様!」
名前を呼ばれて辺りを見渡せばスラッとした体格にスーツを着こなし、ノンフレームの眼鏡を掛けた男と私服を着て男の隣に達手を振る翼がいた。
それに近付けば、男が俺の鞄をさりげない動作で受けとった。
「何時も悪いな、久世」
「いえ。これも私の仕事ですから」
俺専用の世話係である久世。
翼とは家が隣と言うのもあるので毎回久世に送り迎えをして貰っている。
「では、旦那様方お待ちですので帰りましょうか」
久世が前を歩き、俺と翼は後に続く。
時々、生徒に声を掛けられるのでそれに軽く対処して歩く。
俺の顔は適度に知れ渡っているのか、自分の雇い主の子供を待つ執事なども軽い会釈をしてくる。
どんだけ真鍋家が凄いか改めて感じさせられた。
「こちらです」
スッとリムジンのドアを開けた久世。
翼が先に乗り、俺が後に乗る。
久世がドアを閉めて運転席に座る。
その際に助手席に俺の鞄を置いた。トランクに入れないのは俺が何時、貸せと言うか分からないからだ。昔から世話をしている久世しかやらない事だ。
翼は何も持たずに来た派らしい。携帯と財布はもっているが。
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