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ドSの夜明け(後編)
三点倒立が崩れて
首にダメージを受けた
ユニコーンの邪武

呆れて物も言えないアルバイト
バルロンのルネ

対峙する2人の間を
ただ時間だけが流れる









ピクピク………






「…………はぁ…。
邪武さん貴方は、何をやっているんですか……」





「…!………痛いっ
………首が痛いっ」



「…………。
まあ、そうでしょうね」





しらー。











…もしかして
俺、今、見られてる?


しかもその目………


小学校の雨上がりの校庭に
なぜか頻繁に落ちてる
水を含んだ湿布を見るような目…

教室の床の隙間に住んでいる毛が生えた小さな虫を見るような目…




そう、その目だっ!!
ハァハァ…


その冷ややかな目で


もっと
この邪武をみてくれっ!!







もっと、もっと!!

ハァハァ…








じー。




見つめ合う2人














あぁん………
エクスタシー……









「うふ……うふふふ………。」


「な、何笑ってるんですか!?
気持ち悪っ!
っていうか、いつまでそこで寝てるつもりです??そろそろどいていただけませんか??

さあ、手を貸しましょう」




スッ


!!!

「めぇぇ━━ンッッ!」



バチンッ!!!


「痛っ!な、何っ!?」


「や、や、や、優しくするなっ!!

この草団子っ!!」








説明しよう
アルティメットMの邪武は
不意に優しくされると
動揺してしまうのだ







「……!!!
く、草団子!?」


「ああっ!…す、すみません、突然手を出されたので、驚いてしまいました…」




野良猫のような邪武さん





「………ふーん
ま、それなら仕方ないですけど
でも本当に、ちょっと邪魔なので立って、いい加減どいてください…」




「……………はい。」




よいしょっ…






ガクガク……




プルプル………




プルプル………




ドシャッ

↑生まれたての子馬






「あ!大丈夫ですか…??」


「………立ち上がれない」


「そんなに痛いんですか??」


「違うんです、どうやら私のマゾヒズムパワー、略してMPが底をついてしまった様です」


「…何ですかね、それは……」


「神秘のパワーです。
一叩きしていただければ、すぐに回復すると思います!
ですから、ね
お願いしますっ!さあ、」



「…………。」



「…………Do!!



「…Do!!って言われても…」



「…ああ、もうっ!
お願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願い!



ユニコーンギャロップ!!」




バタ バタ バタ バタ

バタ バタ バタ バタ

バタ バタ バタ バタ

バタ バタ バタ バタ……









…………。










自分の唯一の必殺技を
地団駄用に使ってしまうとは……


この人、そこまでして……









は〜ぁ、
いっその事一発終わらせて帰ってもらうのも手ですよね

よし









「…………わかりました。」



バタバタ



バタバタバタ、ピタッ!




「む!?
………い、今なんと!?」


「わかりましたと言ったんです
邪武さん、貴方の熱意に負けましたよ」


「ぬ……ぬぉぉ!じゃあ?」


「ちょっとだけですよ?」


「ヤ、ヤッタ☆こんなに嬉しいのはあの日、沙織さんに馬にしてもらって以来だっ!!!
万歳ーッ!万歳ーッ!

………あ!そういえば、私、この前誕生日だったんです」


「へぇ、おめでとうございます」


「だから…
叩く前に一言
『HappyBirthday、ユニコーン』
と言ってもらえませんか??」


「ふふっ、わかりました」



ピシッ


ピシッ







ルネさんはどこからか取り出した鞭で素振りをしている


嗚呼……
ユニコーンは……邪武は
あの素振りの音だけでエリシオンへ旅立てそうです


大逆転のこの展開


突入だ!






さあ!行こう!
エリシオンへ!!








「…では邪武さん、いきますね」


「は、はいっ!
あ、うつ伏せになるのでお尻を狙って下さい」



ごろん。



「あ…優しくしないで下さいね、貴方が生きてきた中で一番強くして下さい、ハァハァ…」



コクリ



「HappyBirthdayユニコーン!
さあ、くたばりなさいっ!!」




せーのっ






ヒュッ



…ビシィイィン-!!!













はッ、



はぁぁああぁ〜〜んっ



















…………






…………







「…………どうでしたか??」




スクッ



立ち上がった






「…………。」



「立てましたね、ナントカパワーもチャージできたんですね」



「…………。」



「どうしたんですか??険しい顔して…何か喋って下さい…」



「…………。」



「邪武さん、邪武さ・んっ!」




ゆさゆさ……






「…………………漢字二文字で表すと」





「?」





「漢字二文字で表すと…










!!!


き、!?










「貴方の鞭さばきの中に究極を感じました。
私の勘は正しかった…ルネさん、貴方にはセンスがある」



「…究極??センス??私が??」
↑嬉しそう



コクリ



「『くたばりなさい』というアドリブも最高でした…

……ちょっと、
確認のため、もう少しだけやってもらえませんか?」


「え?あ、はいっ」


ビシンッ


「あぁんっ!!」


「……い、痛くないんですか??」


「ええ、痛いです
だがそれがいい!!」


「へぇ〜」


「さぁ、もう一発!」


「はい」


ビシッ


「ああっ!イイッ!
でも次はもっと、尻の山の頂上の方をっ!」



ビシッ


「あんっ!」


「こうですか!?」


ビシッ


「んんっ、まだまだっ!」


「これならどうです!えいっ」


ビシンッ


「ぁあんっ!!違うっ!」


「意外と難しい…」


ビシッ


「んんっ、違うっ!」


ビシッ


「若干違うっ!」


ビシッ


「あん、おしいっ!」


ビシッ


「もうちょい下っ!」





「……じゃあ、ここだっ!!」


ヒュッ


…ベチ━━━ンッッ-




「!!!」




「お?!ここですか?」



ビシッ


バシッ



「あ、あ、あ………」


「そうですか!ここですか!
ここが良いんですか!
あははは!それ、それっ」



ビシッ


バシッ



「あああ……もっと…!
もっと激しく!!




「邪武さん、あなたは本当に変わった人だ!
あははは」


ビシッ



「はぁっ…もっと、手首のスナップを効かせて!」


「こうですか!?」


ヒュン、

ビシッ



「はぁっ、素晴らしい!素晴らしい過ぎる!
ああああ…そう!

motto、motto〜ッッ!!」



「あはははは
この、ド変態ッッ!!」






ビシッ


『あぁんっ!』

『あははは、こっちはどうですか』


ビシンッ


『ひゃぁんっ!』

『あははは』


ビシッ


バシッ


ドンッ


ベシッ


ギリギリ


ポヨンッ


ボインッ


バババ━━ン


バリバリバリッッ…






あはははは



あはははは………


















・・・・・













後に、バルロンはインタビューで
この日の事をこう振り返った








『ええ、なんて言うか、あの日の経験はそれまで無かった感じ?

そう、一言で言えば
新境地でしたね』






















新境地でしたね







〜ドSの夜明け-fin-〜









性癖って、怖いね


おしまい














邪武・ルネ様ファンの方すみません(^^ゞ
お疲れさまでした!

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