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ドSの夜明け(前編)
聖域町の皆が大好き
ローカルコンビニエンスストア
サンクチュ

お隣の冥界町との境目に近いこともあり、冥界町の住人も来たり来なかったり。それはお客に限った事ではありません





〜夜のサンクチュ店内〜



[STAFF-only]のドアが開く





…ガチャ




「おはようございます…」


「おはようございま〜…、あ!」


「??」


「ルネさん!天英星バルロンのルネさんじゃないすか〜!」
パタパタ


「ん!?あ!貴方は!地妖星、パピヨンのミュー(最終形態)さん!
なんと、まあ…」


「どうも、お疲れ様です」
パタパタ


「いやいやいや、そちらこそ、お疲れ様です。ケホッ…
ミューさんここで会うの初めてですね〜」


「そうですね、今まで絶妙なタイミングですれ違いでしたもんね」
パタパタ


「コホコホッ、タイムカードで名前を見かけて以来ずっと『このミューさんてあのミューさんかな?』って気になっていたんですよ、やっとスッキリしました、会えて嬉しいです」


「いやいや、私も」
パタパタ



はははは!




…コホコホッ



「…ところで、コホンッ
ミューさんはどうしてここのサンクチュでバイトを?家が近所なんですか?」


「うーん、近所……ではないんですがね〜、ここの夜間の時給1180円に引かれまして!」
パタパタ


「じゃあ私と一緒ですね…!
冥界町の方だと夜間よくても1080円止まりですもんね〜。ここは夜すごく暇なのにお金もいい
極楽ですよ、ふふっ
まるでエリシオンですね
エリシオン


「うそぉ〜、ハーデス様ご来店しちゃいます〜??なんて」


はっはっはっはっ!


パタパタパタパタパタ〃






………ゴホンゴホンッ!




(り…りん粉が………)




「…………あ!せっかく会えたのに、私、今日22時30分上がりなんですよ」


「あ…、そうなんですか〜」
(ほっ)


「はい、また今度、ゆっくり一緒に入れるといいですね」


「ええ、いつか…楽しみにしています」
その時までにはちゃんとマスクと霧吹き用意しときますからね


「じゃあ、頑張って下さい。
では、先失礼します〜」


「はぁい、お疲れ様でした〜」




テクテク…



バタンッ






[STAFF-only]






……しーん。





…………。




………ふう、
行ってしまいましたか

ちょっと寂しい…



もう一人のバイトの方は、私用で1時間半遅れるみたいですし…
お客さんもいない…

パンの発注やって、
雑誌でも読んでいましょうか…




さぁてと。




テクテク……





ガサガサ、



ピッ ピッ



ピッ 、








ウィ---ン


ピロリロ ピロリロ〜…





(…あ、お客さん…)


「いらっしゃいませ〜」



(まあ、呼ばれたらレジ行けばいいですよね…)




ガサガサ、

ピッ ピッ 、






テクテクテク……




ピッ ピッ 、




テクテクテク………ピタッ!





「…………。」


(こっち来た…

「すみません、今退きますから」




ササッ…






「…………。」




じーー。




………??






(……なんて鋭い視線
まるで獲物を狙うかの様な目でこっちをじっと見ていますよ…
なんだか気味が悪いですね)






「…………。」




「い、いらっしゃいませ……
…どうかなさいましたか?」





じーー。







ぼそっ

「…貴方が天英星バルロンのルネさんですね??」





「………?
そうですが、何か?」






そういえばこの人…

身に纏っているのはアテナの聖闘士の聖衣…
頭には一角獣の角の様な物…


なんなんでしょう、喧嘩でも仕掛けてくるのでしょうか…

う〜ん…






……ゴクリ。






じーー。






「ルネさんっ!!」




ガバッ











「ぎゃっ!土下座!?急に土下座!?
どどど、どうしたのですか!?」



「あの!わ、わ、私はアテナの聖闘士、ユニコーンの邪武と申します!鞭の使い手、ルネさんに折り入ってのお願い事があり、ここまで来ました!!」



「な、なんですか!?願い事!?私に?」


「はいっ!毎週、月・木・金に貴方がサンクチュに居ると聞いてからは、毎週その曜日にサンクチュに通っておりました!」


「は、はぁ…。……でもその割には会わなかったですね」


「はいっ!夜間だと知らずに、ずっと、毎回真っ昼間に来ていました!」



「…………。」


(それは残念でしたね。)


「ま、まぁ、とりあえず頭を上げて下さいっ」


「いえ、これが私の【物を頼む時の姿勢】ですからっ!」


「は、はぁ……。」


「それでは、本題です!ルネさんっ、どうか…!


自慢のその鞭で!!
この邪武の躰を縛り上げて下さいっ!!









!!












……この人は…







なんだ??










「い、言っている意味がよく解りません!」



「意味などありません
私を縛り上げて下さい、
ただ、それだけでいいんです!」



「い、嫌ですよっ!
知ってます!?アレ、わりと苦しいらしいですよ!?私だって、むやみに人に苦しい思いさせたくないですよ!」
…この前は蠍座のミロさんにリーインカーネーションかけに行きましたが、これ内緒(笑)



「承知の上です!むしろそれが狙いです!!人助けだと思って、頼まれて下さいっ!

この通り!
この通りですっ!!」




ずりずり…
↑大地に頭をすりつけている




「い、いや、でも…」



「お願いします!
お願いします!!」





ずりずり…





ずりずり…







すっ…………










その時
邪武の土下座に異変が…!







すす〜…バッ!!













!!!








こ、この体勢は…



















三点倒立!!





















なんとユニコーンの邪武は
土下座から
三点倒立に移行したのだっ!!







(邪武さん…
これが貴方の言う
【物を頼む時の姿勢】?)








……もはや…頼み事をする時の申し訳なさみたいなものが全く感じられない!











(しかも……頭の角が邪魔で首が変な方向むいてますよ??
大丈夫?)




「じ、邪武さん、危ないです、止してくださいっ
怪我してしまいますよ??」








「ぃ、い………や………

そ、れ、よ…りも…!ぬぐぅ」










「…………。」



(……まあ、そこまで三点倒立していたいのなら、仕方ないですね。しばらくこのまま様子をみてみましょう)







プルプルプル…





「ど、う…か…」






「…………。」









フラ〜〜






「………

ふんっ!!」







プルプルプル…






(…いつまでやるんでしょう?
顔がだんだんさつまいもみたい色になってきましたよ?)





「……………。」





プルプルプル…





フラ〜〜





(ほらっ!倒れそうですよ〜
頑張れ頑張れっ)





「う……

ふっんぬっ!!」





(そうです!
よーし、よく立て直しました!)





プルプルプル…







プルプルプル…




フラ〜〜






「ぬ……

ふんっ!!………あっっ!!」




………ゴキッッ



スバシッッ!!










!!!!!


ああぁっ!!

く、首がっ……………













フラ〜〜…



………



ドシャッ……………












…………。












(…ほら、言わんこっちゃない)













utmt'M(アルティメットM)の邪武、
アルバイトのルネ様
これから2人はいったいどうなっちゃうの





後編に続く




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