蟹座の聖衣ちゃん達(後編)
アレは
蟹座の聖衣
意外な所で蟹飯の聖衣を発見してしまった…
しかしなんでまたこんな所に…
じ〜〜
「おいっ！何やってんだよー
早く行こうぜ」
「しー、静かに
ちょっと
こっち来い
」
ﾁｮｲﾁｮｲ
「あ？なんだよ」
「この店の、奥のＵＦＯキャッチャーのところほら、お前の聖衣らしきものがあるんだよ」
「は？
そんなっ！ははっ
黄金聖衣がゲーセンに??
バカかおまえ、冗談はアイオリアのくせ毛だけにしろ！こんな所にいるはずねぇだろーが！」
ﾁﾗｯ １度見
ﾁﾗｯ ２度見
ﾁﾗｯ ３度見…
ﾁﾗｯ 志村けんもびっくりの４度見
ｺﾞｼｺﾞｼ
「うえぇぇ━━！？
い、いたぁぁ━━！！」
「…だろ」
「……こんな所にいるとは
しかもＵＦＯキャッチャー、ＰＬＡＹしてるよな」
………うんそう見える
でも聖衣ってＵＦＯキャッチャー出来るのかな…
「ん？金は一体どうしたんだろう？まあ、後で聞けばいいか…」
「うんとりあえずあそこにいる分は捕まえなきゃだよな
」
「だな。両腕と…あと、両肩のパーツか〜……
……なあ、
なんて話しかけたらいいと思う?｣
「は？…いや、普通に『お〜、こんな所にいたのか』みたいな感じでいいんじゃないか」
「そ、そうか
久しぶりだけど、ちゃんと俺の事覚えてるかな?」
「大丈夫だろー?なんだよ自信持てよ〜
」
「そう…そうだよな！
よし、じゃあ、行くぞ！」
「おう」
ﾃｸﾃｸ
近くまで寄ったら
聖衣が本当に
ＵＦＯキャッチャーしてた…
へー。
もしぬいぐるみ取れたらどうやって持ち帰るのかな〜？
…気になるなあ
捕まえたら聞いてみよう
（ほら、蟹飯、声かけろよ）
（ああ。）
ｺﾞｸﾘ
ﾄﾝﾄﾝ
「おい…！」
『………？』
…ｷﾞﾛｯ
（ｷﾞﾛｯってｗｗｗ）
「おまえ達、こんな所に………
『……
』
ﾋﾟｭﾝｯｯ-☆
……って…！」
「ああー逃げた」
「な……、なに！？」
「顔見るなり逃げた
怒られると思って逃げたんじゃないのか」
「…あんな風に逃げられるとちょっとショックだ…
でも、今はそれどころじゃねーか。店の奥に逃げたよな！？追うぞ！」
ﾀｯﾀｯﾀｯ…
追いかけて店の奥に行くと非常階段の前のいかにも悪い子が悪い事をしそうなスペースにさっきの両腕と両肩パーツがいた
焦った感じで
こっちをチラチラ見てる
あれ？
「…なんかいっぱいいない」
「ああ…、そこに、マスクと腰と胸もいるみたいだぜ！」
「おじゃあ…全員揃ってるんだなよーし、捕獲だ」
「あ！でもちょっと待て、なんか様子が変だぜ??」
……そう
…あー、確かに
相変わらず両腕と両肩はこっちをチラチラみて焦ってるけど
マスク達は後ろを向いたままだ
一体何をしてるんだ??
…………
………ん??
マスク達のさらに奥に
誰かがうずくまってる
誰…？
男の子？
あ……
ヒドラの市だ
しかも
…泣いてない？
…………
…………
もしかして…
カツアゲされてる
ヒドラの市が……
ＫＡＴＵＡＧＥされてる
「かか蟹飯おまえの聖衣達…」
「言うなミロ！！！」
ゴゴゴゴゴ…………
(あぁ蟹飯の小宇宙がかつてない程に燃え上がっている…
また吹っ飛ぶのかな、このゲーセン…)
「おまえらっ！！」
……ｷﾞﾛｯ
蟹飯が怒鳴ったら
さすがのマスク達もこっちを向いた
凄い剣幕でにらみ合ってる…
肩と腕は震え上がって隅っこに行っちゃった…
あ…
いつの間にかフットちゃんも蟹飯から離れて俺の足に引っ付いてるよ
かわい〜な〜
そうだよな…仲間の聖衣とやり合うのは嫌だよな、よしよし
そういえば
市は
あいつはどうした
いたいた
「おいもう大丈夫だぞこっち来いよ」
ﾁｮｲﾁｮｲ
「ミ、ミロ〜！」
ﾀｯﾀｯﾀｯ
「はぁはぁ、ざんす
ありがとざんす」
………
「黄金聖衣達に『ＵＦＯキャッチャーやるから１００円玉よこすざんす』ってお財布を奪われてたざんす」
………
………ざんす(笑)
「怖かったざんす
でも何枚か１００円玉取られただけでお財布も返ってきたし、よかったざんす」
「ははは
体は無事でよかったでござんすね〜被害が小銭だけでよかったざんす桐ダンス」
「……ちょ、ミロ、使い方違うざんす、最後のもなんか変だったざんす…」
「そう？ごめんなさいね
まあ、気にすんな
じゃあ、気を付けて帰れよな〜、またな」
「へ…へい。」
こうして市は帰ったざんす
…さて。
蟹飯と蟹座の聖衣達はどうだ
まだにらみ合ってる
「マスク、ボディー、ウエスト、なんだその反抗的な目は！！」
ｼﾞﾛﾘ……
「ここに並べ！」
『………』
「こ･こ･に･並･べ･って言ってるんだよっ！」
『………』
ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ…
「よーし、そうだ！
アーム、ショルダー！おまえ達もこっちに来い！！」
『………』
ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ…
そして整列
「おまえ達は、自分が何をしたか解ってるのか！？」
……あ〜あ
蟹飯完全にお説教モードだよ
「アームとショルダー、おまえ達は他の３人がお金を巻き上げてる間、見張り番をしていたろ…」
『………』
「黙ってないで、うんとかすんとか言ったらどうだ！」
『………』
「だってだとぉ〜！？
だってもクソもねぇ！！」
へ〜〜
会話してるや
…にしても蟹座の聖衣ちゃん達もこんな風にグレちゃうとはね
元はと言えば蟹飯が良くなかったんだけどさ…
蟹飯が宇宙的に最悪な奴だったんだけどさ…
…カツアゲは良くないよね
でも蟹飯の体を離れてきてから、
きっと蟹飯に対しての憤りとか、反省とか、寂しさとか、
将来への不安とか、暫く放っておいてほしかったり
でも本当は、必死に探してほしかったりの気持ちが混ざって
色々複雑だったんだろうな〜…
………
「マスク、ボディー、ウエスト！おまえ達はまだそんな態度を取るのか！」
「泣かせて手に入れた、人のお金でＵＦＯキャッチャーやって楽しいのか！？」
『………』
「た…楽しいだとぉ！？
しかも、唾まで吐いて！
なんだその態度は…！！」
唾ｗ
「おまえ達は変わってしまった！
ひん曲がったその根性を叩き直してやるっ！
頬っぺたを貸せ！
歯をくいしばれ！」
『………！』
「…よぉし。
グーでいくぞ！いいか！」
『………！』
「じゃあマスクからいくぞっ！
せいっ！！」
バキｯｯ
「げえ!!!」
蟹飯メモ
【右手骨折:全治１ヶ月】
「つ…次！ボディー！
左手でいくからな！
そいっ！！」
ゴキｯｯ
「げはあっ!!!」
蟹飯メモ
【左手骨折:全治１ヶ月】
「つ…次だ！両ショルダー！
お前達は足でいくぞ！
せやっ！！」
ガコ、ガコォｯｯ
「うぎゃああ!!!
あ…足が
足の骨がおれたあ━っ！」
蟹飯メモ
【右足骨折:全治２ヶ月】
「はぁはぁ…次！！
両アーム、お前達は肘でいくぞ！
そりゃっ！！」
ベキｯｯ
「ひっ！ひぃぃ〜〜っ！」
蟹飯メモ
【右肘骨折:全治２ヶ月】
「はぁはぁ…最後だ…ウェスト
お前達は頭突きだ、覚悟しろ！
せ〜いっ！！」
ドオォォオン
「あ……
あじゃぱア━━━ッ！！」
……ガクッ
ドシャｯｯ
蟹飯メモ
【頭蓋骨骨折:全治３ヶ月】
黄金聖衣＞＞＞生身の肉体
無謀な挑戦
☆プライスレス☆
………
蟹飯よ……
死んだか…
『………』
「あ……
聖衣ちゃん達…」
『………！』
「なに？今はまだ戻る気持ちになれないって??はは
まあ…、そりゃそうだなコイツがこれじゃあな…」
『………！』
「あ〜、わかった、そう伝えておくよ」
『………。』
「おう、皆、元気でな
あでも、カツアゲとタバコは良くないぞ絶対ダメだぞ」
『………』
「なんだよ嫌に聞き分けがいいんだな
」
『………』
「なんだよ、そうだったのかはははまったく…」
『………』
「あさよならの前に」
『………??』
「一応メモ渡しておくよ
困った時はこの住所の家に行ってみなきっと助けてくれるから」
ほい
ﾍﾟﾗﾘ
『………！』
「フフｯｯ
じゃあ、今度こそ
またな達者でな」
ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ…
ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ…
こうしてフットちゃん以外の蟹座の聖衣達はまた行方をくらました
蟹飯??
あーアイツはね〜
頭を強く打ったせいで記憶が飛んでいるらしい…
しかもかなり長い入院になった
困った男だよ本当に
〜数日後〜
〜アイオリアのアパート〜
ハイツ若獅子
♪ﾋﾟﾝﾎﾟ〜ﾝ〜
「………？」
……(;~･_･)…
む……。
今、何時??
…４時……
誰だ、こんな朝っぱらから…
最近の新聞の勧誘は人の生活時間帯を考えてくれないんだな……
♪ﾋﾟﾝﾎﾟ〜ﾝ〜
「…は〜〜い！今行きます！」
怖いから一応穴から覗こう
……お？
……(;･o･)
だ、誰もいない…
………
いや、下の方になんかあるか…
なんだコレ…
ゴ…黄金聖衣(;;･o･)！？
「なな…なんだ！？」
ｶﾁｯ
ｶﾞﾁｬｯ
ああっ…(;;;･o･)
げ、玄関に……
ばらけた黄金聖衣！！
………傘地蔵??
おしまい
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こっち来い
」
」
」
ＫＡＴＵＡＧＥ
かわい〜な〜
」
困った時はこの住所の家に行ってみな
じゃあ、今度こそ
