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蟹座の聖衣ちゃん達(前編)

「うーん…ポテトチップス食べたあとに指をなめるときとかかなぁ～」

「それ、いいね～

」

俺はスコーピオンのミロ

今日は珍しく蟹飯ことキャンサーのデスマスクと
ファーストフード店でお昼を食べながら女の子のカワイイ瞬間について語っていたんだ

「あとアレだ！書き物をするときだけ耳に髪をかける姿！」

「あぁ━

それ、ヤバいね～

」

「他に、なんかあったか～…？
あ！リップクリームを塗ったあとに、なんか、口閉じて『ん～～』ってもぞもぞさせる時！アレ、かわいくねー??」

「お～

あれか

カワイイカワイイ

」

「あとは…
混んでるレジで小銭を沢山出す時のちょっと慌てた姿」

「うん

」

「小走りしたらパンプスが脱げちゃった姿」

「うん

」

「冬、笑った時に唇が切れちゃった姿」

「うん……………うん

」

「眠る寸前の白目を見られて『大丈夫よっ！』って一瞬去勢を張るけど、またすぐ白目むいちゃう姿」

「…………」

「トイレから帰ってきたらズボンのチャック全開だった姿」

「…………」

「冬の朝起きたら鼻のまわりガピガピになっちゃってて…」

「……おい、蟹飯」

「あ？」

「お前、変わってんな……」

「………？…そうか？

あ！あと、これ！
これはすごい自信ある!!
炭酸のペットボトルを開ける時、びびってちょっと顔を離して開ける姿！どうよ、コレ」

「あ～～、それは認める

カワイイ

」

「だろ～～??」

…………

「てか

炭酸の飲み物の話したらサイダー飲みたくなった

」

「レジ行って買ってこいよ
俺ここにいるから」

「ここの店、スプライトかジンジャーエールしかないんだよ

」

「はぁ!?じゃあ何、コンビニに買いに行くのかよ？」

「うん

」

「チッ、めんどくせーなぁ！わかったよ、さっさと行こうぜ」

「ありがと

聖衣には逃げられちゃったけどイイ奴だなオマエ

」

｢ハハハハ…………うるせーよ｣

こうしてお店を後にした２人
そして話題は蟹飯の聖衣に…

ﾃｸﾃｸ………

「ところで、お前は短パン履いて聖衣のフットつけてんのか

」

「ああ。つけてる、っていうか勝手に着いてくるんだよコイツが」

実は『取れないらしい』って
噂では聞いてたんだけど

やっぱりそうなのか…

「蟹飯のフットは
ほんとに蟹飯のこと大好きなんだな～」

「ははは、まぁな！フットちゃんはカワイイよ～、なんかすっかり俺になついてるんだよね～」

「風呂とかどうしてるんだ

」

「もちろん一緒だよ
洗ってやると喜ぶんだ」

へ…へぇ

「聖衣って喜ぶのか

どんな風に喜ぶんだよ

」

「なんか
ギュウゥゥゥゥン

!!
って締め付けてくるんだよ、
そしてそれがわりと痛い」

わ　り　と　痛　い

ちょｗ

「………おい

それ本当に喜んでるのか

嫌がって反撃してんじゃないのか」

「俺もね～、最初はそう思った。ムカついて『痛ぇよバカヤロウｗ』『ダンカン！』『バカヤロウｗ』ってぶっ叩いたりしてたんだけどな
叩くうちに手が負けた…

でも途中で気が付いたんだ、ひょっとしてコレは、喜んでるんじゃないか??…ってさ」

蟹飯ｗｗｗ
今、話の途中にサラッと
世界のたけし織り交ぜたｗ

ははは、不意討ちだよ

ヒドイなこりゃ

ははは

…コホン。話に戻るか

「でも喜んで締め付るのか

」

「…だってさ、嫌だったら他の聖衣みたいに飛んで逃げたらいいじゃん？」

「ああ～

まあ…確かに

」

「それにさ、人間だってマッサージとかが気持ちよくて拳を強く握ったりさ、」

「うん

」

「屁が出るくらい力んじゃう時とかあるじゃん？？」

「…………」

ないよｗ

それはないｗ

「なんか、そう思う様になってからは俺もフットちゃんが大好きなわけ

まあ、そんな感じでさ
俺達は好きで一緒にいるんだぜ
ね～、フットちゃんっ！」

お～よしよし

なでなで…

なでなで…

（ふ～ん、なるほどね

でも確かに、撫でてもらってる時のフットちゃん、なんかすごくキラキラ輝いてて嬉しそうかも

聖衣にも意思があるってのは本当なんだな

ははは

フットちゃん、カ～ワイイ～

）

フットちゃ～ん

なでなでなで…

「ところで蟹飯、
他の聖衣ってあれ以来やっぱり帰ってきてないのか