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沙織さんと食べたい(後編)
『楽しそうな2人の会話が聞こえそうで聞こえない』という、究極にもどかしい気持ちに苛まれながらも

明子姉さんのごとく
物陰から
温かい目で星矢を見守るミロ


そんなミロの肩を叩く人物とは…





「お……
おまえは


アフロ








……………






…………って、
言って み・た・も・の・の

ごめん……、実は今回のお前の登場には薄々気付いてたんだよ





うおっ………………。






………コホン。

そうか…気付かれていたのか」



「ああ
花壇とお前はイコールで結ばれているんだ
今やこれは常識」




「ふーん
残念……


…残念リネン!」





…………




…………お?




…………おう。




………………




……いやぁ、
今のはないでしょ兄さん…

一度は聞き流そうと思ったけど
突っ込まずにはいられないなぜなら俺は直情型の蠍だからだ



「あー、もうっそれを言うなら『残念無念だろ

なんだよリネンってどんだけ天然素材にこだわってるんだよ



「フッ。
軽いスウェーデンジョークさ」







ぎゃー



謝れ
今すぐスウェーデンに謝れっ







「…ところで、きみは今日は何をしているんだい??」


「ああデート中の星矢を陰で支えてるんだよ


「ふ〜ん、
いつも影から誰かを見ていて、きみは張り込み中の刑事のようだね。


……おや。偶然


今日、お昼に食べなかったあんパンが一つ余っているんだよ

よかったら食べて」



「おぉ
刑事度が大幅UPだな
サンキュー



ガサゴソ


「はい」




ちょこん





「ヤッターあんパン


って何コレ、ちっさ
このあんパン異常に小さいよ


てかよくみたら【チョコあ〜んパン】じゃないか

ここに来て
あんパンかどうかも怪しくなっちゃったよ




まあ、
美味しいからいいんだけど…






ぱく

もぐもぐ…




あ〜、うめっ




「フッ、
お菓子がよくお似合いだな


さて、じゃあ、わたしはそろそろ帰るとするよ
張り込み頑張ってくれたまえ





さようなら、小さな探偵さん」






……へ




こうしてアフロは名探偵コナンの捕まった女性犯人風に去っていきましたとさ



ありがとうアフロ
君のことは忘れない






…さぁて、
星矢はどうだ


まだ話してる…


もう夕方になるし
そろそろ例のブツを渡した方がいいんじゃないか



じ〜〜



チラッ



(…何!?)


(そろそろ暗くなるぞ、食べるもの出しちゃえば


(そうかな??でも明るいとちょっと恥ずかしいかも……
オレはともかく、沙織さんも人に見られるのは恥ずかしいかもしれないし…)


(は?意味がよくわからん…
いや、今だろう
いっちまいな


(そうかな……よし、わかった!
やってやってやりまくってやるぜ!)





星矢は後ろに隠してあったドンキホーテの袋に入ったそれを差し出した




『さ、沙織さんっ!
コレ、プレゼントじゃないけど、プレゼント!
一緒に食べよう!』


『まあ!星矢、急にどうしたの?!

……嬉しい!』


『ほら、誕生日をむかえてまた一歩大人に近づいたからさ、
実際にもより一層大人に、っていうか、ね、なんていうか…』


モジモジ…


『変な星矢!よくわからないけど、どうもありがとう
中を見ても??』


『あ、うん!
食べよう、なめよう!』


カサッ








じ〜〜

星矢のヤツ、うまく渡せたなあとは仲良くeat inするだけだな

よしよし、先生は安心したぞ
中身が何なのかは後で聞こう…



……ん?


でも… あれ


なんかアテナの様子が………




袋を覗いて
すぐ閉めて
突き返した



怒ってるぞ

ど、どうしたんだ





辰巳を呼んだ

あ、リムジン来た


アテナ帰っちゃうの












♪涙よりも〜 優しい歌を〜


♪かなしみより〜 そのぬくもりを〜…






『だめだ、だめだよ
沙織さん!やめてくれぇっ!

うわぁぁぁっ!!!!』







♪〜〜



♪世界が〜 そんなにも〜
簡単に変わるとは思わないけど〜

静かに闇を〜溶(略)






『さ…沙織さん、沙織さん、沙織さん……


沙織さぁぁん━━━━ッッ』








………




か………帰ってしまった……



「………ちょ、
おいっ星矢っ


「ミ…ミロ………。」


「一体なにが起きたんだ


「わからない…
一緒に食べよう、ってコレを渡したら

怒っちゃった………。」


「あ〜それ例の…
そう、中身、何が入ってるんだ

みていいか?」


「うん」


カサッ



…………



こ…これは







【夜まで待てない
エッチな気分になる飴】













エ………

エッチな気分になる飴



エッチな気分になる飴



エッチな………





…ハッ

俺とした事が驚いて
2回も3回も言ってしまった…
お恥ずかしい






「せ、星矢お前
コレをアテナと一緒に食べたかったのか


「うん、だってコレを二人きりで食べたらさ…ね??

凄いことになるだろ?」





・ ・ ・。



コイツはアレか??

ちょっとアレなのか??

バカ??

ひょっとしてバカなのかも??




「なあ、星矢…ちょっと」


おいでおいで


耳かして



「???」





すぅ〜〜っ、





「このバカタレが━━ッッ





アンギャァ━━━!!!!










「…う、うるせぇっ!耳が〜!くそっ、何すんだよっ!!!」




「あのな〜、お前な、
ダイレクトすぎるんだよ
中村俊輔のコーナーキックかってんだ


ちっとはさ〜
ちっとは、女心ってのを考えられないのかよ



「女心〜……??うーん…」



チャラリ〜チャ〜ラリ
チャラララ〜〜(童謡:ふるさと)


『間もなく6時になります。よいこの皆さん……』




「あ!6時!!!
ヤバい、ちびまる子ちゃん始まっちゃう!ごめんミロ!
オレ帰るねっ!!」



「へ
おい、ちょっと



「それ、やるから〜!!
じゃあ、またな!!」



「お…おう
じゃあな〜〜…………」




……………



星矢には
デートやら
女心やらなんやらは

まだ243年くらい早いのかなぁと
ミロは思いましたとさ










おしまい


























おまけ




はぁ〜あ

こんなもん貰ってもなぁ…




…………ん?



いや、こいつは使えるかも…








〜その夜・ミロハウス〜



「さぁて、テレビつまんねーし、寝るか



「そだね〜」



……よしっ



ドキドキ……



「あーそうそう〜
寝る前にコレ食べる



シャキーン



「なにそれ??」



「今日さ、星矢にもらった飴なんだけど



「えー!?寝る前に飴〜!?
いらないよ、もう歯磨きしちゃったし。」



「フフッッ
甘いよ、ちぃちゃん
これグラード財団新開発のフッ素飴
なめて歯磨きして眠ったら歯が頑丈になるんだとよ



「ふーん。


……でも今日はいいや」



「は?『いいや』じゃない
食え、食っとけ未来のために
今日の夜、寝てる間に新しい虫歯が出来ちゃうかもしれないんだ
そしてその虫歯が原因で……
歯が抜けたり、
髪の毛が抜けたり、
くせ毛になったり、
触手にまかれたり、
兄貴を逆賊扱いされたり、
腰が抜けたり、
目が悪くなったり、
味覚がへんになったり、
五感を奪われたり…」


ブツブツ…


「え〜、わかったよ〜、そこまで言うなら…」




ぱく





フフッッ

食べたな
外袋からだしてあるから、見た目は普通の飴ちゃんだが


何を隠そう、それは星矢にもらった

【夜まで待てないエッチな気分になる飴】なのだ




はははっ

嘘も方便とはこのことだな

はーはははっ




さあ、あとは
待っていればいいだけだぞ…



ドキドキ…




「なめ終わったどうだった


「うん、スースーするかと思ったけど普通のイチゴの味だったよ」


「ふーんでもこの際味なんかどうでもいいんだ

よ〜し、いいぞぉ
さあ歯磨きをしておいで



「うん」


スタスタスタ…





ドキドキ…



ドキドキ………




「ただいま」



「おう

………

な、なぁ、なんか、変わったこととかないのか



「?…べつに??

あ、電気消すよ?」



「んあ、ああ




ドキドキ………




「おやすみ…」

カチッ





…………ドキドキ




…………ドキドキ




…………ドキ……



……………??






『…ZZzz〜〜。
……ZZzz〜〜。』








ね…寝た




………



一粒じゃ効果ないのかなぁ…

むう〜…












いや、違うって
ミロってば素直なんだから…



おしまい

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