沙織さんと食べたい(前編)
ここは星丘公園の
花壇の影
あの日、もじもじサガさんを発見してしまった
あの場所だ
今日は見つめる先のベンチには
星矢が一人で座っている
♪♪♪〜♪♪♪〜♪〜
「お
」
from:星矢
sub:Re14:大丈夫かな？
沙織さんまだ来ない、もしかして、わすれちゃったのかなー
…う〜ん
ｶﾁｶﾁｶﾁｶﾁ
to:星矢
sub:Re15:大丈夫かな？
忙しいんじゃないか(@_@;)??道路が混んでるとか男ならじっと待て
ﾎﾟﾁｯ
送信
…ふう〜
俺はスコーピオンのミロ
今、何をしてるかというと
３日前
道端で星矢にバッタリ会って…
それから……
えーっと〜、
…ええ〜い、面倒
話すと長いから回想シーンをみてくれ
〜３日前〜
「あ、ミロじゃん！
今日は股間に水風船挟んでないのか！？はははっ！」
「む……
う、うるさいっ」
「………ところで、ミロさ」
「…？？？
なんだよ、改まって
お腹でも痛いのか」
「違うよっ！あのさ…、女の子をデートに誘う時って、どうやって誘ったらいい！？」
「お…女の子をデートに
おいおい、どうしたんだよ急に」
「そんなに意外がるなよ〜、女の子っていうか…、デートっていうか…まぁ
普通に沙織さんなんだけどさっ
どうしても一緒に食べたい物があってさ〜！２人きりで会いたいんだ！」
「…へぇ〜たまげた
アテナにね〜〜
あわかったぜ
この前誕生日だったから、ケーキでも渡すんだろ〜」
「へ……！？あ、ああ！そう！それ！誕生日プレゼント(…って事にしとこう)
ケーキじゃないけど甘いもんだよ！」
｢なによそれ〜
やだぁ
そういう事なら早く言ってよ〜
にしても、なんのかんのお前もアテナの事が好きなんだなっ
よ〜し、解った」
ﾓｿﾞﾓｿﾞ…
ﾊﾟｻ〜ｯ
着ていたＴシャツをおもむろに脱いだ
「このスコーピオンのミロ
星矢のために一肌脱ごう」
バ━━━ン
………と、いうことでね
◇デートの誘い方
◇無難な場所
◇持ち物
◇会話が途切れた時のための小話
一緒に考えてやったんだぜ
まあ、俺が助けてやれるのは
そこまでだ
ＡＢＣＤＥＦ、
飛んでＨ
どこまで行けるかは星矢次第
ふふふっ
センセーを喜ばせてくれよなっ
…………ふぅ
にしてもアテナ遅いな〜
じー……
ﾁﾗｯ
星矢がこっちをチラ見してる
おいおい、そんな不安そうな顔するなよ〜
『ほら、気合い入れろ』
の意味を込めて
俺は両手でガッツポーズした
♪♪♪〜♪♪♪〜♪〜
「…??」
from:星矢
sub:Re16:大丈夫かな？
今のなに！？
まるで花壇の影で野ぐそしてるみたいだったぜ(笑)
………………
正直、結構へこみました
………
………
あアテナだ
(…星矢っ右、右っ来たぞ)
『………？
………！！！』
気付いたみたいだな
立ち上がって…
ペコペコしてる
挨拶して…
お
笑ってら〜いい感じだな
声までは聞こえないけど
さしずめ
『さ、沙織さんっ！こんにちは
今日もおっぱい大きいね！どれどれ、ちょっと触ってもみてもいいかな??』
『もう、星矢ったらエッチね』
あははは
うふふふ
なーんて言ってるんだろう
星矢、うまくやれよ〜
じ〜〜〜…………
………
なんか、こうして花壇の影に隠れてると
アイツが来ちゃう気がする…
アイツの小宇宙が近づいてくる気がする……
……う〜ん、気のせいかな
しかし星矢たちは相変わらず楽しそうに雑談してるなぁ
一体何を話してるんだろう
………
む〜…
聞こえそうで聞こえないからもどかしい…
じ〜〜〜…………
ﾄﾝﾄﾝ
「待って〜、
今、すごい集中してるんだ」
じ〜〜〜…………
ﾄﾝﾄﾝ
「もう〜〜ｯｯ少しくらい待てないのかよ今、俺は『若者にしか聞こえないモスキート音を聴かされて「…あれ俺、ひょっとして聴こえないえー、嘘だ〜
そんなはずない
よ〜し、もう一度聴いてみるぞ」…ｺﾞｸﾘ』
ってときくらい集中してんだから
ったくよ〜
邪魔するヤツは誰だっ」
……
「う、うわっ…
おまえは」
えー
また、まさかのこの展開
後編に続く
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」
う、うるさいっ
この前誕生日だったから、ケーキでも渡すんだろ〜
やだぁ
そんなはずない