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アテナ会館へ行こう(後編)
英字新聞柄のスパッツのサイズはピッタリ☆
でも心のフィット感は0
そんなブルーな気持ちの時

シャカは親切に小宇宙通信で俺の頭に語りかけてくれた


《ミロよ………

UMIQLOで無地のスパッツを買ってきてやろうか……??》



それはシャカに『慈悲の心』が芽生えた瞬間でもあった




ありがたい……

けど、ほっといてくれ


俺はスコーピオンのミロ



今日はアテナ会館に行く日
ムウが歩きで全員を拾いながらきているんだ

徒歩でぞろぞろアテナ会館に向かうなんて…
なかなか乙ですな



歩いてるうちに英字新聞柄の事も忘れたよ


「てか、蟹飯、アンタなんで風呂入る直前のお父さんみたいな格好なんだ

「おー、聞いてくれよ!相変わらず聖衣が寄り付いてくれなくて。
先月末にやっとフットだけ帰ってきてくれたんだよ」

「フットだけ
マンモス憐れな奴だな」

「ハハハハ…………うるせーよ」



〜5分後〜


テクテク


「しかし暑いですね…」


「しかも各々の聖衣が
光を反射しあってて眩しいな…」





「……あ……!」


「シュラ、どうしたんだ??」


「いや、こんな事もあるかと思って、昨日100均でサングラス10個買ってきたんだよ。
ほい。皆に回して」



「うわっさすがシュラすごい気の利かせようだ
ありがとう後で100円渡すね


…ってか
え…形ダサっ

なんだいこの
ムスカのサングラスみたいのは…」



「うーん。これしかなかったんだ、勘弁してくれよ」


「まあ、仕方ないか
サンキュー」





「ワーッハハハハ!
全員似合わんなぁ!」




お揃いのムスカサングラスですっかりペテン師の集団みたくなったけど
楽しみながら10人は歩いた



〜そしてまた数分後〜


ちょっと休憩




「暑い…焼けるようだ…」



「うむ…聖衣の表面がひどく熱くなってしまった、まるでフライパンの様だ…」




フライパン…





フライパンかぁ……





あっ…





「サガさんのショルダーって〜平らだから目玉焼きとか作れそうっすね


「そ、そうか??」


「漫画とかのアレ、永遠の憧れ

…やってみてもイイッすか


「お………、おう。」




普段なかなか打ち解けられない、8つ年下の後輩からの突然の誘い

これはチャンスと
サガは照れながら快諾した



「誰か生たまご持ってないか


「私、持ってますよ」


「ムウナイスでも何故


「今朝ニワトリとうずらが産んでたので、アテナに渡そうと思ってたんです、でもまた今度にしますから」


「ありがとう
他に何かないか〜


「あ、オレ…」


「はい、アイオリア


「お腹が空いた時にこっそり食べられるようにと、ポークビッツを持っているぞ。」


「おやつにポークビッツ
お前はデブキャラか

はい、開けて〜
フライパン行きね


「わたしは、取れたての玉ねぎを持っているよ??」


「アフロさすがお庭の戦士
よし、シュラに輪切りにしてもらってっ





ジャジャーン

[食材]
たまご×1
うずらのたまご×3
ポークビッツ少々
玉ねぎ 輪切り3切れ


「よーし食材の準備は完璧だ



「ほ…本当にやるんだな??」


「ああ……

緊張するなじゃあ最終確認
俺とアイオリアは右肩にたまごとポークビッツを乗せるから、
左肩にはシュラ、ムウ、シャカでうずらを
蟹飯とカミュで玉ねぎを置いてくれ



一同は大きく頷いた



「小宇宙を高めろ
せ〜ので行くぞ




その時…
黄金の十人が
ふと微笑んだような気がした…


「………せ〜の




カパッ×4 ヒョイッ ヒュッ ヒュッ



ジュ〜〜〜〜〜〜ッッ




『うぉぉぉ━━━ッッ


焼き音のオーケストラっ



ュュゥゥ〜〜〜〜〜……




ゥゥ〜〜〜…………








……………あれ??



元気なっ…





たまごの白身の下側が固まるか固まらないかのところで
サガのショルダーに蓄積された太陽エネルギーは底をついてしまった…

ポークビッツは
一筋焼き色がついた程度

玉ねぎに至っては
完全な生だった











…しょんぼり






「ま、まぁ…
ご愛嬌だよな…」


「やっぱり漫画のようにはいかんのだな…」


「残念でしたね…」






「さぁて、そろそろおとなしくアテナ会館目指して歩くかぁ!!」




気を取り直して
一同は再び歩き始めた




テクテク




テクテク






「はぁ……。なんか…
すごくガッカリだなぁ





「ミロ……、そんなに落ち込むな、元気だせ。」





「サガさん……」





「俺なんか両肩に生卵乗っけてるから、姿勢も崩せないし
おまけに右肩からポークビッツ
左肩からは玉ねぎのにおいが半端ないぞ。」






クンクン




「ホントだ
く〜さいっすね









「……………だろ??」






「なんか元気出ました
元気出たら腹が減りました
アイオリアに余ったポークビッツもらってきます

ありがとうございました







「ふっ。」








後輩と少し仲良くなれた気がしてサガは嬉しかった

ポークビッツと玉ねぎの香りに包まれながら

喜びを噛みしめていた



数分後に
肩の食材目当ての大量のカラスに襲われるとも知らずに






おしまい

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あきゅろす。
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