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短編集
冬の日の
元気系×病弱系
ショタっ子のほのぼの出会い話。
胸が暖かくなるようなお話を目指してみました。
小学校2年生ぐらいで舞台は雪が降る村っぽいところ。北海道とかそっちのイメージで書きました。



男の子がてんこうしてきたんだ。
でも一回も学校に来ているところをみたことないんだ。
体がよわくてあまり学校にこれないんだってさ。
とかいとか言うおれからするとテレビでしか見たことのないようなところにすんでいたんだって。でも体にはわるいみたいで、ここなら空気がいいから、てここにきたんだって。
でも今は冬で、体がわるくなりやすいって。先生がいってた。
だからきたらやさしくしてね、ていってた。

でも、おれ知ってたんだ。先生がいうまえに。そのおとこのこのこと。


先生に言われるちょっとまえの日にすんでいない家のまえにおおきな車がとまってておとこのひとがその中からにもつをだして家にいれてた。
おれはかあさんとかいものに行くとちゅうで、かあさんがひっこしてつぶやいてたからそうなんだとおもった。
そのままおれとかあさんが前を通りすぎようと家のまえを歩くとあけっぱなしのげんかんから見えたのはうしろすがただけどテレビでしかみたこともないふわふわしたくりのような色をしたかみのおとこのこだった。
そのかみをつい立ち止まってみているとかあさんからおもいっきりげんこつをくらい「いてぇ!」と大きな声を出してしまった。かあさんに「さっさと来なさい!」と言われてしまった。
耳をかあさんにひっぱられながらむりやり歩かせられてそれでもまたおとこのこを見ると声に気が付いたのかこちらを見ていた。
耳の痛みがきにならないぐらいにそのおとこのこから目を外せなかった。

はだの色がとても白くてまるでこの雪のようにきれいで、目の色も夏の木に生えてる葉っぱのようでやっぱりきれいだった。
あと目の大きさ。なんというか…もう、おれと同じ人なのか、と思ってしまうようなすがただった。
耳をひっぱられてもなおぎりぎりまでじっとおとこのこを見ているとにこっと笑った。

どきん

…?その笑顔をみておれのしんぞうがそうなった。
なんだろう?病気かな??
むねに手をやっているあいだにかあさんにひっぱられてもうおとこのこのすがたが見えなくなってしまった。

帰りにはひっこしは終わったみたいで車はもうなかった。ドアも閉じられていて中のはもう見えなかった。
さっきの笑顔を思い出すとまたむねがどきんどきんとなっている。

かわいかった。おれをよく怒ってくる女子とかより先生よりも。
話してみたい。遊んでみたい。

あのとき確かにそう思った。

でもおとこのことはこの学校に同じクラスにてんこうしてくるって知っているけどまだ話すこともできていない。

名前も知らない。先生がおとこのこが学校に来れるようになるまでおたのしみって言って教えてくれなかった。
話したい、会いたい、遊びたい。一緒にいるだけでもおれはたぶんいいんだと思う。
でも学校ににこない…と言うか来れない。
それは知ってる。
だっておれは学校のときおとこのこの家の前を行き帰り通るときに二階のまどからあのおとこのこが外をのぞいているから。
ひっこしてきておとこのこの笑顔がわすれられなくてあそこがあの子のへやかな、て思いながら二階のまどをみながら歩いていると一つのまどからひょこっとあの子が外をのぞいていたんだ。
おれは思わず立ち止まってあの子を見ているとあの子もおれに気がついたみたいであのときのように笑いかけてくれた。かおが真っ赤になるのがわかった。

雪がふるぐらいさむいからはなは赤くなっているけれどそれとはまたちがうようなかんじがした。
よくわからないけれどなんとかはんのうしなくちゃ、とおれもあの子に笑いかける。
へたな笑顔になったとおもうけどあの子は少しおどろいたようなかおをしたあとさっきよりももっとうれしそうな笑顔をした。
そのあとはあの子がだれかによばれたようで後ろをふりかえったあと、ざんねんそうな顔をしておれに手をふって、まどからはなれてしまったようであの子のすがたがみえなくなっちゃった。
それがおれもざんねんだったけれど、あの子がおれのことをおぼえてくれたことがうれしくて走って学校にいった。

その日、あの子が転校生だと知ったんだ。
帰りもあの子はまどから外をみていた。おれはまたあの子をみようとまどをみていたからまた目があった。
朝とはちがって次はおれからあの子に笑いかけてみたらあの子も笑い返してくれた。


それからは行きと帰り、ほんの少しだけあの子のかおが見れるのがうれしくて、はなすこともできないけれど顔を合わせて笑いあえることがうれしかった。
家にいても学校にいてもあの子に会いたくて会いたくてしかたなかった。
それ以外なにもかんがえられなくていつもやっている先生や女子にたいするいたずらもきゅうしょくのデザートのジャンケンもめしを食べる気も出なくなって先生や友達、とうさんかあさんにもしんぱいされた。


さいしょはあの子のかおをすこしみる、それだけでよかったのにあるときあの子がまたあのまどから見ているのを見てざんねんなきもちになった。
あの子のかおをみるのがいやになったわけじゃない。そんなわけないけれど、気づいたんだ。あの子が今日もあそこから見ていると言うことは学校に来れないんだって。
それがざんねんでしかたがなかった。

この気持ちはなんだろう?
なんとなくみんなにいえなかった。このことはあの子にだけに話したかった。
むねがあつくなりあの子ともっと話してみたい、もっとかおをみたいとおもう。






こちらにおひっこししてきて1回も学校にいけていません。
ぼくは東京のほうに住んでいたけれど体が強くなくて学校にあまりいけませんでした。そのせいで友達ができなくて、だからたまに学校にいけるときがあってもはなせるような子がいなくて、どちらにしてもさみしくてしかたがなかった。
行っても行かなくてもどちらにしてもさみしいの知ってから学校に行こうと言う気持ちもでてきません。いえ、どちらかと言えば行きたくない気持ちの方が大きいです。
行けばみんなからうそをついて学校にこないずる休みするひきょうなやつだと言われました。あと体育の見学もいやな笑みでぼくを見てきます。
だからぼくじしんもだんだん行く気もでなくなってしまいました。
そのせいなのかぼくの体の調子もわるくなっていきました。おかあさんやおいしゃさんはやまいは気からと言われました。
なおそうとすればなおるように人はできていると言われました。…たしかにぼくは学校にいきたくない、なおらなくてもいいや、てかんがえてしまっていてから体の調子がわるい日がずっと続いています。
1しゅうかん、2しゅうかんと学校に行けない、行かない日が続き、どんどんあっかしていく体調におとうさんとおかあさんはおひっこしをきめました。
おとうさんはお仕事のかんけいがあるからいっしょにいれないけれどおかあさんはぼくと一緒に行くことになりました。
おとうさんのほうのおじいちゃんとおばあちゃんの近くにおひっこしすることになりました
いなかだけれど空気のいいところでみんなやさしいところみたいです。

今までぼくからおじいちゃんたちのところへ行くことはなくおじいちゃんたちがぼくの家にくることがいつものことだったので初めてぼくはおとうさんの生まれ育ったところに行くことになりました。

初めてここの村を見てかんどうしました。
きれいな白い雪。白にうめつくされたじめんがとてもきれいでした。東京でもふることはありますしつもったところも見たことがありますが、ここの雪はきれいに見えました。
あと、空が広いと思いました。東京の空はせまいとおじいちゃんが言っていたいみが分かった気がしました。
よけいなものがないここはたしかに空が広いです。きっとこの雪がきれいに見えるのはこれがりゆうでもあるのだとぼくはかんじました。
きっと夜の空は星がとてもきれいだとおもいます。今夜にみたいなぁ。そうおひっこし用の大きな車にゆられながらそうおもった。

あたらしいおうちはちいさないっけんや。マンションに住んでいたぼくは初めてのいっけんやだった。
おおきくないけれどなんだかやさしいふんいきをしています。ここにぼくは住むんだ。
なんだかうれしい。うれしいけれど…。
おかあさんやおひっこしのおにいさんたちが前のおうちから持ってきたかぐの整理をしている中ぼくはげんかんでぼんやりと立っていました。
ドアはあけっぱなしなので背中はさむいけれどどうでもよかった。

ぼくはおかあさんたちにめいわくかけちゃってる。
ぼくが体がじょうぶだったら、つよく気持ちをたもっていればおひっこししなくてすんだのに。
当の本人のぼくはけっきょく変われていない。学校はやっぱり行きたくない。
またずる休みと言われることもひきょうだなんて言われたくない。でも行きたくないと思うぼくはやっぱりひきょうな人間だと思います。
ごめんね。おとうさん、おかあさん。

かなしい気持ちになりながらおかあさんがおにいさんたちにここに置いてほしいとかあれはこことかしじをしているのをぼんやりげんかんからながめていました。


「いてぇ!」

「さっさと来なさい!」

あけっぱなしのドアの外から男の子の声と女の人の声が聞こえてふりかえると耳をひっぱている女の人にその女の人に耳をひっぱられた赤いマフラーをつけた男の子がいた。
きっと親子であろう2人。
耳をひっぱられながらも男の子はぼくをじっと見ていた。
きっとこのかみの色やひとみの色がめずらしいのかも。ぼくのかみと目はおかあさんからもらったの。ぼくは気に入っているけれどみんなふしぎそうに、そして少しいやな目で見てくる人もいた。
おかあさんとおそろいのかみと目をばかにされることもある。ぼくはそれはいや。
ぼくのことだけでなくておかあさんのこともばかにしているってことだからよさらにいや。

男の子はそのどちらでもない目で見ていた。
男の子はぼくとはまったくちがう色と顔をしていた。
かみと目は黒くて、ぼくのまっ白なきもちわるい色をした肌とは全くちがうけんこうてきな肌色だった。
かみはみじかくて目はすこしつり目で黒目より白目のほうがおおい。

みえなくなるぎりぎりまでぼくを見てきた男の子にどうはんのうしていいかわからずとりあえず笑いかけてみた。
笑いかけたあとにすぐにひっぱられて行ってしまったので男の子がどんな顔をしていたのかわからなかった。
そのあとおかあさんに中にはいりなさいって言われたのでドアを閉めてしまったのでかえりに男の子がとおったのかも知らなかった。



つぎの日、ぼくはさむくて起きた。
きのうの夜熱が出てしまい今日も学校はおやすみ。
やっぱりぼくはかわれないまま。
体調がよくてもうそついて行かないし。おかあさんはそれを知っているみたいににがい笑顔だけうかべてわかったわ、と言った。
むねあたりがきりっといたむこともうそをついてぼくはねむるんだ。きっとこれからも…。

とけいを見ればふつうなら学校に向かう時間だった。
ぼくはベットからおきてうわぎを着てそっとカーテンをあけてそとを見た。
今日も雪はふっている。
そらからしたを見ればマフラーを巻いた男の子や女の子がぼくの家の前を通る。
みんなぼくが見ていることに気がつかないで通り過ぎていく。
それがなぜかさみしく感じた。だれもぼくに気がつかずみんな前を歩いていくんだ。あたり前、だけれどどうしようもなくそれが悲しく思えた。
きたいはしていないけれど、目をうごかしてみる。ぼくに気づく人なんて思う人はぜったいにいない。そうおもいながら



でもちがった。
きみはぼくを見てくれたね。
ずっとこちらを見ていたようですこし目を動かしただけなのにばちっと目があった。
心の中であわてた。そして気づいた。きのうの赤いマフラーの男の子だ。
あっちもどうしていいのかわからなそうにしててぼくもわからなかった。
だからきのうのようにわらった。たぶんへたな笑顔だったとおもう。きみはすこし目をあちこちにやってから、げんきそうな笑顔をくれたね。
うれしかった。ぼくはいやな笑顔しかもらったことがなかった。きみのような笑顔をもらえたことがうれしくて、手をふった。
そのあとすぐにおかあさんによばれちゃってきみから目をはなさなくちゃいけなかったけれど。つぎにみたとききみはいなくてさみしかったけれどしかたないよね

でもね、帰りにぼくは学校からかえってくるきみを見つけたとき、きみから笑ってくれたね。
それにぼくはおどろいたけれど、すぐにうれしくなって、笑顔をかえした。
それから平日のきみの行きかえりに笑顔を返しあうことがにっかになったね。

…でもいつの日か笑いあうだけじゃなくて、ぼくはきみともっとはなしたいって、学校に行きたいって思った。
初めてなんだよ。ぼくが学校に行きたいとおもうなんて。
ありがとう。
まだ名前もしらないきみ。ゆうき、出せる日、きたよ。
会いに…ぼくから会いにいくね。






「……あれ?」

いつもならもうまどからのぞいているのにあの子はいなかった。
思わずたちどまってにかいのまどをみる。
立てないぐらいたいちょうがわるい、とか?
しんぱいになった。それとすごくへこむ。
きょうは見ることなくきょうをおえるのだろうか。
いや、もしかしたらかえりにはちょうし、よくなっているかも。
それでも見れなかったらきょうこそはピンポン押してようすを見るんだ。

「よっし!」

こえに出していきごんで、やっぱり朝会えないのはさみしいからはしって前をとおりすぎた。

「…まって。」

とおりすぎてちょっとしたところであの子の家のまえからそう声が聞こえた。
聞いたことのないしずかで、おだやかで、きれいなこえだった。
ふしぎにおもってうしろをふりかえると青いマフラーをつけてもこもこなフードを来てながくつをはいた子がさくさくと音をたててちかづいてくる。

「……はじめまして…なのかな?」

すこし笑みをうかべながらおれにちかづいてきたのは、あの子だった。
ずっととおくからながめていた笑顔が今は目のまえにあった。
ちかくでみればとおくでみていたよりももっときれいな顔をしていた。

顔があつくなる。それを見てあの子もちょっとてれたように笑う。

「…どうしよう、なにをはなそうか?」

「え、あー…。じゃあ、」

「そうだね…、じゃあ、」

「「なまえを」」


「……」

「……」

「ふふ」

「はは」

おたがいにおなじことを聞こうとはもってしまうことに笑ってしまう。


どきどき

どきどき

むねがあつくなってしんぞうがはやくなる。
これからいろんなことを知っていこう。
いっしょにあそぼう。いろんなことしたい。


「おれは桜木春輝(さくらぎはるき)。これからよろしく!」

「ぼくは白崎冬也(しろさきとうや)、こちらこそ、よろしくね!」


これからはあの子、とうやとはなせてすごいちかくで笑顔をみれる。このときはそれだけでうれしかった。



冬の日の

出会い。




あとがき
4部か5部ほど続けようと思ったのですが時間がとれないので短編へ移動しました。
たまにショタがすごく書きたくなる日がくるんです。
やさしい話を書きたいな、と思って書いているのできれいな管理人タイムです。




桜木春輝…元気っこ。黒髪黒目、健康的に焼けた肌色。冬也に会うまではスカートめくりをしたりドアに黒板消しを挟んだり落とし穴を掘ったりする悪ガキ。
冬也に一目ぼれしてからはそういうことは一切やらなくなる。
頭は弱いけどスポーツ万能。リーダーシップはある模様。
本人は無自覚だが冬也にべたぼれ。あと意外と女子からモテる。でもそれも無自覚。


白崎冬也…病弱っこ。栗色の髪に緑色の目、肌は白い。女の子より目が大きくかわいらしい。
病気がちの上に友達がいないことにより東京にいるときは元気はなかった。
こちらに引っ越してきて元気そうな笑みを自分の向けてくれた春輝と仲良くしたくみたくなって学校に行くことを決意した。
今のところ春輝を友人としてしかみていない。



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