短編集 浮気相手である僕の末路 悲恋もの。 主人公フラれています。 浮気×健気の浮気相手目線。 性表現はないけど抱いたとか直接的な言葉があるので注意 初めての恋でした。 キラキラと笑うあなたに目を奪われました。 恋をしてすぐに気が付きました。 この恋は叶わぬものであると。 だってあなたは彼だけを、彼しか見ていなかった。 僕は軽い感じを装ってあなたに話しかけました。 友人としてあなたは僕を見てくれましたね。たとえあなたが彼だけしか愛せないとしても話せるだけで幸せだったのです。 あなたは彼を愛していましたし、彼もあなたを愛していて愛し合う者同士。 だけどうまくいかないときもありますよね。どんな仲のいいカップルでもそれはありますね。 あなたの愚痴に付き合い僕はあなたと二人お酒を飲みに行きましたね。酔った勢い、冗談交じりであなたを誘いました。 うまくいっていなくともそんなことで靡くと思っていませんでした。ですが僕が思っていたよりもあなたは大分参っていたみたいで、 その誘いに乗り、僕を抱きました。 僕は冗談だと言えればよかったのですが、一回でもよかった。あなたに求められたくて、本当に大好きだったんです。 本当に1回で十分でした。 あなたと僕がホテルに入っていったのを彼は見ていたのです。 もちろん彼はあなたを攻めました。僕も攻められました。 構いませんでした。僕は1回だけですが彼に抱かれたのですから。あなたも彼に本当に申し訳なさそうに謝り、もうしない、と言って 抱きしめ彼も涙を流しながら許してくれました。 僕も彼に謝ります。彼とはあなたの友人として紹介されそれなりに仲のいい関係でした。 彼は僕のことも許してくれました。とても寛容な人だと感激した、と覚えています。 抱きしめあうあなたたちを見て、僕は胸を突く痛みに気が付かないふりをして見ていました。 ですが、それがいけなかった。 あなたは彼に怒ってもらえるからその後何回も僕を抱きましたね。 僕はいけない、と思いながら、片思いの相手に求められることに喜びを覚えていた。 あなたに呼ばれるたびに思いました。彼よりも自分を見て貰えているのではないのか、と。少しでも希望があるのではないのか、と。 でも抱かれるたび、それは打ち砕かれました。 だって僕を抱いているのにあなたの目は僕を通り越して違う人をみていた。僕を通して、彼だと思い抱いていたことなんてすぐにわかりました。 伊達にずっとあなたを見ていたのです。気が付かない訳がないでしょう。 それでも求められることが嬉しくてしょうがなかった。片思いの相手に求められて嬉しくない訳がないでしょう。たとえ僕を見ていなくて違う人間を見ていたとしても。 最初のときよりあなたは僕を見なくなったことも周りからの僕の評判もとても悪くなったこともわかっていた。 それでも、辞めれなかった。恋は盲目ですね、 平気な顔してあなたの隣にいた。彼の辛そうな顔にもあなたが本当に彼のもとに行きたがったことも気が付いていました。 周りの人間から冷たい目で見られても、平気な顔をしていました。平気な顔のフリをしていました。 あなたは僕を最初よりも見なくなった。性欲処理のように、彼の身体だと思いながら激しく抱きました。 彼とは仲のいい関係を築いていたのにそれも壊れました。周りの関係も壊れました。 早く目を覚ましてほしかったです。あなたに。 あなたに恋をしているので僕はなにも言えない。あなたは多分僕の気持ちに気が付いていたのでしょう。断れないの知っていて誘った。 早く目を覚まさないと、一番大事な彼がいなくなってしまうことに気が付いてほしかった。 でも僕からは言うことはできない。卑怯な人間なのです。 だってあなたは僕の元からいなくなってしまうのは安易に想像できました。 あなたと彼との関係が戻ればいいとおもいながらあなたが僕から離れていくのが怖かった。 矛盾していますね。ごめんなさい。 いつまでこんな不完全燃焼な関係が続いていくのか自分も怖くなってきたころにあなたの幼なじみが言いました。 この関係を終焉にさせる言葉を。 その言葉は僕を絶望させました。が、それと同時にホッとした気持ちも芽生えました。 これで、僕はあなたを諦めることが出来ると。 「……」 「話を聞いてくれてありがとう。」 「いや、……お前にもひどいことを俺はしていたんだな、」 僕の正面を座る辛そうな顔をするあなた、あなたの隣には泣きそうになる彼 そして話す僕の隣にいるのは何とも言えない顔をするあなたの親友。 彼がいよいよ彼と別れるために家を出る準備をしている、お前はそれでいいのか、これでもお前は浮気を続けていくのか、と。 あなたの親友はあなたを怒鳴りつけました。 そこで目を覚ましたかのようにハッとしてあなたは僕に一言謝り、彼の元へ。 僕はあのあと泣きました。そしてあなたの親友にお礼を言ったのです。 この関係を終わらせてくれて、ありがとう。と 「これからもまた遊ぼうよ、こいつになにか詫びて貰おうよ!」 話し終えて彼はそう明るく言ってくれました。あなたは苦笑いをするものの否定はしなかった、あなたの親友もうんうんと頷いている。 本当に心の広い彼の気遣い。僕はゆっくり笑顔で首を横にふった。 それに驚愕するみんな。 ごめんね。僕はもうあなたたちの傍にいれない、いたくないんです。 「僕は大学を辞めました。地元に帰ることにしました。 あなたたちに酷いことをした僕に隣にいる資格なんてありません。」 「……俺を許せないのか?」 「そうではありません。」 「もう、怒ってないよ?」 「……ごめんなさい。資格とかそう言うのではなく、もういたくないんです。あなたたちの近くに。」 その言葉に辛そうな顔。ごめんなさい、これが僕の本音です。 大分傷付けたけれどこれだけは言わせてほしいんです。 「僕はまだあなたが好きです、そして抱かれました。まだ抱かれる前は友人として見れましたが温もりを知ってしまった僕がまたあなたを求めないと言う可能性は0ではありません あと辛いんです。怖いんです。もう、嫌なんです。あなたたちの姿を見て傷付く自分に嫌気がさしたんです。 決してあなたたちの問題ではない、僕の気持ちの問題で何一つ気に病むことはありません。 お金はここに置いていきます。もう二度とあなた方に会うことはないでしょう。今までありがとうございました。傷つけてごめんなさい。 これからは幸せになってください。お元気で」 僕は言い終えると走って店から出ていきました。 あなたの親友は僕を追いかけようとしましたが僕はこれでも陸上部の部長でした。 そんな僕に追いつくことはできません。 結局僕は臆病者。 でも、変わろうと思っています。 もう平然とした顔であなたたちのところへいられない。自分をだますの、疲れました。自分勝手な僕を許してほしいなんて言えません。 自分の家の近くにある公園まで来てようやく後ろを振り返る、やっぱり僕には追いつかなかったみたいだ。 そこでようやく僕は泣いた。 大学1年生の夏休みの僕のお話でした。 聞いていただき、ありがとうございました。 まさかのあなたの親友に僕の居場所を見つけられ告白され付き合うのはまたいつかお話させていただきます。 では今日のところはまた。 あとがき ぶっちゃけかなり最後は投げやりです。ごめんなさい。 ←→ [戻る] |