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忠犬の日常
風紀の皆さんと一緒(相棒編)

貴祐さんを上がらせ、黙々と仕事をしていると覚えのある声と足音が扉の向こうから聞こえてきた。

(つか、今何時だよ・・・)

「・・・oh・・・」

7時55分。

壁にかかっている時計は確かにソレを示していた。
三度見したから間違いないよ。

・・・え?もうそんな時間なの?
確か貴祐さんを追い出したのが4時ちょい前だったから・・・。

約4時間ぶっ続けか〜・・・

その間俺、アイツと連絡とったけ?
いや、取ってないよね、これ。・・・だって。

『・・・アイツ、部屋に居ねーし、昼寝スポットにも居ねーってことは、まさか風紀室か?』

ほらね!!
探しに来ちゃってるよ!奴が!!

・・・コレ、ぜってーお説教だよね。

うぅ、でもこればっかりはしょうがなくない?
なぁ、そうだろ?

だって貴祐さんをあれ以上働かせるわけにゃいかんのだから。

お前気づいてた?あの人がくま作ってたの。
うっすらっだったし、上手いこと隠してたみたいだけど、
長年の付き合い・・・ってか、なんというか。

気づいてしまったらそんなものみすみす見過ごせないじゃんか?

・・・なんて、それでも構わず怒られるかな。
なら言わないでおこう。労力は無駄にできない。

扉に手をかけられた音がした。

ガチャリ。

「・・・庵。お前こんな時間まで何してんだよ」

ゆらりと室内へ入ってきたその赤髪は迷いも躊躇いもなく俺の元にすたすた近づいて来る。

「やっほ〜竜ちゃん・・・何しに来たん?」

赤髪、基俺の親友で相棒の来栖竜人の眉間にしわが寄る。
・・・やっぱり怒ってるかな。

「何って、お前。誰かさんがスマホ見んの忘れてなんかやってるみてーだったから、迎えに来てんだけど?」
「あー・・・」

気まずくて目を逸らすと、竜ちゃんははぁ、と溜息を吐いた。

「・・・メシは?」
「まだだけど別にいらn「行くぞ」・・・ウィーッス」

要らないって言おうとしたのに・・・!!

「はぁ・・・」
「何?いかねーの?」
「いえ、何も」
「俺、先出とくぞ」

そう言って竜ちゃんは風紀室を出た。

(やっぱかなわないな・・・)

とりあえず俺は風紀室の戸締りをして、
・・・リュックに書類をサッと入れて竜ちゃんのあとを追った。

「・・・バレませんように」

誰にって?もちろん竜ちゃんにだよ。



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