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忠犬の日常
ハッカ様万歳

宮無学園には現在はほとんど使われていない旧校舎がある。
現在は不良とイニシャルGなアレのたまり場と化していて、一般生徒とのエンカウント率は0.001%くらいである。
(Gとのエンカウント率は3.54%くらい)

俺的にはできれば近寄りたくもない場所なんだけど・・・今回ばかりは仕方がない。
まぁ、竜ちゃん居るし大丈夫かな。

ということで、本校舎から嫌々目的の部屋までほぼ無言且つ早足でやってきた俺達です。

コンコンコン。

「姫ちゃ〜ん!!俺がお前に会いに来ましたよ〜」

空き教室の扉をノックして呼びかける。
感じ悪く聞こえたらごめんね、でも無理。耐えれそうにない
とっとと帰りたい、てかもう帰りたい。埃っぽいの嫌だ

「なんだその呼び出し文句」

俺の後ろに続く竜ちゃんが呆れ気味に聞いてくる。

「なにって・・・気分?」
「・・・さいですか。」
「うん即帰りたい!」

早くも疲れた顔面の竜ちゃんに俺は笑顔でサムズアップ。
ため息つかれたけどいつものことだ。気にしない☆

「えー?庵ちゃん?入ってどーぞー!!」

あら、この部屋のヌシ殿から入室の許可が出たよ?
よし来た行くぜ!

ポケットにはいってた飴を手に取って、扉を勢いよく開け・・・

「会いに来たぜ姫ちゃーん!!ヤッホー!!」

奴の居る方角に向かって飴を持った手を振り抜く(勢いよく)

握っていた飴玉がその人物めがけて綺麗にとんで行く。

「やっほ〜って、おわっ!!何っ!?・・・え、飴ちゃん?」

パシっといい音をたててキャッチされた。

「チッ、あげる、ナイスキャッチ」

まぁ取るだろうな〜とは思ってたけど、目つぶって取られるとなんかな〜・・・

「わ〜い!いらっしゃ〜い♪変わった手土産ありがとー・・・あら、今日のはパイン味?」

飴をじっと見つめながらの挨拶。
おい俺こっちだよ。本体そっちじゃないよこっちだよ。
いいけどさ。

「いや、それ昨日の余ったやつ。今日はハッカ様」

ポケットからハッカの飴を取り出して食べる。

余談だけど、俺はだいたい毎日飴を持ち歩いている。自分用と配る用。
自分用のは一日一味。配る用のは主に可愛いコ用で一日一袋。
不定期的に姉から大量の飴が何故か送られてくるので、ここ数年の俺、大阪おばちゃん様態だ。

「えー、俺ハッカ無理〜」
「はぁ!?・・・食らえ!!ハッカ様っ!!」

口にねじ込んでやった。ハッカ様はおいしいだろ!!

「ひぎゃぁ〜〜!!鼻がっ、鼻がスース―するー!!」

あ、嫌いな理由そこなの・・・

「お前ら遊んでんじゃねーよ、庵昼飯遅れっぞ」
「あ。」
「忘れてんじゃねーよ置いてくぞ」
「嫌だ帰りたい。本題入るわ。」
「おせーんだよ馬鹿」
「サーセン」

ごっほん。咳払いを一つ。

(つーか竜ちゃん居たの忘れてたよ・・・)

俺は改めて机の上に胡坐をかいて座る彼を真正面から見る。

彼の名は姫野幸(ひめのさち)16歳。2−B
うちの不良の実力bPで平和主義者。

派閥が別れてしまう原因となった人物で、俺にとっては知り合い。



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あきゅろす。
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