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忠犬の日常
センセー、しっつもん!!

「緋乃ちゃん、起きて起きて!!」

うん・・・?この声はロク?
ロクが俺の体を揺すってるわけか?
起きろって?なんで?
こんなにも気持ちいいのに。

「おーい、庵。俺の華麗なる自己紹介中に眠るとはいい度胸だな」

え〜、自己紹介って、なんで?
ていうか今どういう状況なのだろうか。

「庵ー、起きろ危ない」

竜ちゃんの声がする。
危ないって何。
え、じゃあ起きるよ

ガバッ

「うげっ・・・シンちゃん!?」

勢いよく顔を上げると、かなりの至近距離に怒り顔があった。
うわぁ、眉間すっごい寄ってる・・・

「おはよう庵。よくも俺の目の前で寝てられるなァ」
「おはようシンちゃん、なんで居るの?・・・え、ここ2ーAだよね?」
「俺が担任だからだ。よかったな庵、大好きなシンちゃんだぞ。」
「わ〜い☆・・・え・・・マジで?」
「大マジだ」

一時停止。

「いぃぃぃぃやぁぁぁぁだぁぁぁぁぁっ!!嘘だろっ!!」

隣の竜ちゃんに確かめる。

竜ちゃんは可哀そうなものを見る目で俺を見ながら首を横に振る。
そんな目で見ないでくれ、落ち込むわ。

じゃなくって。

え、嘘でしょ、マジなの!?
ウソって言ってよ!
ねぇだれかぁ!!

「ほぉ〜う。そんなに嬉しいか、そうかそうか」
「あ、おわったこれ」
「よく分かってんじゃん」

あぁ、笑顔なのに、笑顔なはずなのに。
やばいよ、目が笑ってないつか、なんか全体的に怒気を感じるっつーか。
とりあえず俺オワタってことは確実。

いやだぁ、竜ちゃん助けてー!!

シンちゃんが俺の頬を抓る
引きちぎる勢いで。

「そーいや大分久しぶりだなァ?」
「いだだ!!ちぎれる!!ごめん嫌だ嫌だ勘弁してくださいぃ!!」

もう俺軽くパニック。
クラスメイト達の吃驚顔が目に浮かぶ。

実際は涙で霞んでなんも見えてない。


「・・・あー、センセー、それは勘弁してやって」

こういう時、助け船を出すのはやっぱり俺の相棒で。

「庵今かなり不細工になってる」

・・・そこかなぁ〜、もうちょっと別のとこ心配してくれてもいいんじゃないかな!!
シンちゃんに逆らうのが嫌なのはよ〜く分かるけどさぁ!!

「ん?おお、本当だ、写メって月居にでも送るか」

あっさりと手は離れたけれど、その手はポケットに伸びて、スマホを取り出す。
もうホントこの人やだ!!

「あ〜、悪い、庵。失敗だわ」

こっちを向いて竜ちゃんが合掌しながら言う。
小さな声でご愁傷様、とか聞こえたし。
聞こえてるし。許すまじ。竜人!!

てかシンちゃん、教師としてどうのなのそれ。

頬を擦りつつ、他の人はどーしてるかな、と辺りをぐるーっと見てみる。
へぇ〜。やっぱり。

生徒会役員以外は皆吃驚顔。
役員は青ざめつつ俺を心配そうにおろおろ見守って(?)る。

助けて、とは思わない。
お前らも危ないしな。

「庵―、ハイチーズ」

あぁ、振り向いてしまった・・・

那凪さん。
それすぐ消してください。


・・・たぶん消されないんだろうな〜、はぁ。



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あきゅろす。
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