忠犬の日常
会長様と一緒
那凪様の仕事モードは超尖っているので。
「お前らさぁ、なんで今集まってんのかわかってるか?・・・なぁ緋乃?」
刺されるととっても痛いのです。
ていうか・・・俺にとばっちりかぁ〜
「打ち合わせ、と聞いてます。お騒がせしてしまってすみません」
素直に頭を下げる。
那凪さんをこれ以上キレさせれとさすがにやばいから。
「ああ、そうだ打ち合わせだ。始業式になにかあってはいけないからな、こんな朝早くからお前らを集めたというのに・・・」
彼はホールを見回す。・・・美しい凍てつくような笑顔で。
これかなりイラついてらっしゃる
ほかの皆様、心なしか震えて見えるんですが・・・
貴祐さんですら若干青ざめてらっしゃる。
しかし、そんなもの俺のおっかない飼い主様はお構いなしなのだ。
「・・・はぁ、まぁいい。こんなことしてても時間の無駄でしかないな。打ち合わせを始める」
・・・と思ったけれど、流石に完璧超人那凪さんは無駄な時間を使って仕事を長引かせるようなことはしないのだった。
この状況で打ち合わせとか、空気重すぎるよ。
てか、那凪さん、さっきちらっと犬猿なあの二人を見たよね?たぶん
めっちゃ震えちゃってるんだけど・・・
なんかかわいそう。
*******
その後打ち合わせは滞りなく進み、とうとう迎えた始業式である。
・・・といっても俺は竜ちゃんや先輩とステージそでに控えているだけなんだけど。
「そういや竜ちゃん達は打ち合わせのとき居ったけ?」
小声で尋ねる。
そう。この二人を打ち合わせの時に見た覚えがないのだ。
俺の記憶違いだろうか?
いや、竜ちゃんが居たんなら正直雰囲気とかでわかるし・・・
やっぱいなかったね?
「あー、俺と彩先輩はちょっと別件で来れなかったんだ」
「そうそう、まぁ、僕は竜人じゃなくって緋乃君とがよかったんだけどね〜」
彩先輩案外ズバっといっちゃうのね・・・
俺といつも組むのは竜ちゃんだし、彩先輩は一人が多い。
そんな先輩の発言も竜ちゃんは特に気にしていないようだ。
「俺もそっちがよかったですよ〜打ち合わせマジ修羅場・・・」
(・・・って、うっわ!)
「っ竜ちゃん!先輩!!耳塞いで!!」
俺は耳を塞いぎ、二人に向かってなるべく小さく叫ぶ。
俺の語尾と司会の声が重なった。
『つづきましてぇー、生徒会長のお言葉です!!』
(ゆっるいな!!)
そこで目にもとまらぬ速さで耳を塞ぐ二人。
さすがにアレの威力を知ってるだけある。
――――きゃぁぁぁぁぁぁ!!!
――――うおぉぉぉぉぉぉ!!!
途端にホールに広まった悲鳴とも呼べる黄土色の歓声。
(那凪さん、アンタって人はどんだけ人気なんだよ・・・)
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