雨に出会う
※現パロです
※一人暮らしヒューバートです、略して一人暮らしバートです
※兄さんがショタに耳としっぽつけた感じの犬です
※あくまでも犬です、と言い張ってみます
それはある雨の日の出来事だった。
ざーざーと容赦なく雨が降る。傘をさしているが、まるでそんなものは意味が無いと言うかのように、僕の服を少しずつ濡らしていく。
靴はもうびしょ濡れで、歩くたびに嫌な感触がする。ああ、早く帰って靴を脱ぎたい。そんな事を思いながら早歩きをする。
出来るだけ明るい場所を通りたくて、電柱の光に近付く。雨の中でも多少明かりがあれば気分も少しは紛れるかもしれない、などと思ったからだ。
電柱の近くを通り過ぎる。いや、通り過ぎようとした。
視界の端に赤い物体が見えてしまい、つい足が止まる。あの赤い物体はなんだろうと自分の足元を凝視する。
そこには、耳にしっぽのついた2、3歳位の子供………。いや子供に犬みたいな耳やしっぽはない。じゃあ彼は犬なのかと聞かれれば、それも違う。
僕は混乱している中、彼は寒さを耐えるように、体を丸め目を閉じていた。とりあえず冷静になろうと思いながら、しゃがんで彼の頬に触れる。冷たい。
…どのくらい此所にいたのだろう、この子の親はどうしたんだ。
家に連れて帰った方が良いのだろうかと考えていた、その時彼の目が開いた。
「くーん……」
疲れ切った顔をしながらぬくもりを求める様に、僕の手にすり寄る。その姿がとても弱々しくて。
連れて帰った方がいいのか、なんて考える場合ではない。
僕は彼を抱っこして、急いで家に帰った。家に着いたらまずはお風呂の準備にタオルもださないと、そんな事が頭の中を一杯にしていた。
変わった子犬と僕の出会い
(まるでドラマのワンシーンのようだ)
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