酔っ払いと僕 空の色は黒に近い色をしていた。 月明りがほんのり、僕らを照らしている。 こういうのを静かに散歩をするのも悪くない、と思うが……。 「まだまだ、飲むの〜!飲み足りにゃ〜い〜!おとーとくーん!!」 「いい加減にして下さい。大体、貴方一人で何本空っぽにしたと思ってるんですか。あぁ、暴れないで下さい!落ちますよ!」 生憎そんな気分を楽しめる状況じゃなかった。 酒場へ行って来ると言ったきり、帰りが遅い教官とパスカルさんを迎えにいけば、酔っ払ったパスカルさんを教官に押しつけられ、挙句におんぶしてくれなきゃ嫌だと駄々をこねらてしまった。 仕方なく、パスカルさんをおぶるが背中でジタバタと暴れる。 パスカルさんを落とさない様に、気をつけつつ歩く。 「弟くんのけちぃ〜〜!」 「ええ、ケチで結構ですよ。……ですから、暴れないで、下さ、い!!」 酔っ払いというのは、どうしてこうも面倒なんですか。少しは近所迷惑と言うのを考えて欲しい。 注意を何回かしている内に、暴れないで今度はうーうー唸ったりする様になった。 まぁ、さっきと比べれば大分ましな方ですかね。 もう少しで宿に着きますから、大人しくして下さい、と背中にいるパスカルさんに声を掛ける。 しかし、返事の変わりにきたのは「スースー」と言う寝息だけ。 「……はぁ、寝てしまったんですか。全く困った人ですね」 くすりと、思わず笑みが零れる。 もう少しで宿に着いてしまうのを惜しむ自分がいたけど、気付かないフリをした。 これは月と僕だけの秘密 (おとーとくーん……ふへへ) (一体どんな夢を見てるんですかね…) ……… ヒュパスなのかヒュ+パスなのか。 30分位で思い付いて書いた文。 [*前へ][次へ#] |