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過ギシ記憶 風との出逢い


「おーい、ホーリー何処行った?!」

着物を着ている青年は何かを捜しながら辺りを見渡していた。


『?帝様、何をしているのです?』

「神風…なんでもない。」

ポニーテールの頑駄無はその青年の事を帝と呼んだ。

『あの精霊なら、先程そこら辺を飛んでいましたぞ』

「本当?!」

頑駄無の言葉に青年は嬉しそうに指された方向に走っていった。


『端から見たら、帝様とは思わないよなι』

頑駄無は、はぁ、と溜め息をした。

「確かこのあたり……」
帝と呼ばれる青年は、当たりをキョロキョロしている。

「あ、ホーリー――――ッ!?」

僕はホーリーの姿をみじかに感じたが、近くに女性の気配を感じた。

「誰だ。」

「ッ!!」

その女性はいち早く僕の気配に気づき、僕がいる草むらに話しかけた。


「お前こそ誰だι」

俺は威厳を保つように淡々に応えた。

「それは、失礼。私双天と言う」

「余は、帝だ」

「…………」

「なんだι」

「お前は、疲れないのか?」

僕はドキリとした。
今まで隠してきた本来の僕を双天は見破ったから。

「何故、そう思う?」

「私もそうだからだ。 周りは私の事を姫神子と呼ぶ。
誰も本来の私自身を視ようとしない。」


双天は淡々と話している。
双天も僕と同じなんだ。

「しかし、あれだな。」
「?」

「おまえと話していると安らぐ。」

「!
僕も君と話すと楽しい!」

「やっと、本来のお前に会えた。」

「!?僕は疾風!///」
「どうした?」

「なんでもない!//」

きっと僕は顔を真っ赤にしているだろう。
それは、双天が笑うから、僕は初めて彼女に出逢った。
冷静な彼女に、初恋をしたあの時に…………。






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