―――君ノ瞳ニ映ル夢(せかい)、 <鬱小説>
始めは、真っ暗で寒い夢(せかい)だった。
誰かが苦しんでいた、悔いていた気がする。
わたし"であって私"じゃない気がしていた…
私は、雫?
アナタは私?
――――ある者は主を奪われ、絶望している。
――――彼の者は、己の無力さに、嘆いていた。
――――私は、すべてを映すだけで何もできない。
――――だからあなただけは、そうならないで……アノヒトを守るために。
あの人?
誰の事を言っているの……?
語りかけようとした時、
いきなり、場面が変わる。
水の中にいた、
息ができる。
そこは、
あまりにも綺麗な海。
―――――これは、あなたの今の心。
―――――姫と出会った今のあなたの心。
―――――もう一人ではない。あなた自身一人ではない。
一人ではない。私はもう……っ
―――――大丈夫。あなた自身を姫は分かっている。
でも、私は力が制御できないから……皆に迷惑をっ!
―――――アナタは成長できる。私とは違うから。さぁ、目覚めなさい、あなたが在るべき世界へ。
まって、あなたの名前は!!
―――――私は……いえ、まだ言うときではないわ。必ずまた会うことになるわ。
…………本当にまた会える?
―――――えぇ、必ず。
また、会おうね。
―――――えぇ。
end
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