[携帯モード] [URL送信]

SSS
不器用?…いや、ただ加減を知らないだけ
 
※ウザくてバカな総悟がいます(注意!)







ある日、土方は日頃の疲れからか珍しく風邪をひいた。

その看病を総悟が務める。


「ゲホッ、ゴホッ!……ハックシュ!!」

「大丈夫ですかぃ?」


「あぁうん。大丈夫だから。風邪移るからあっち行っとけ。俺一人でも大丈夫だから。」

「俺に気使わなくて大丈夫ですぜ。『能ある鷹は風邪引かない』って言いやすし。」

「ことわざ、混じって変な事になってんぞ。」

「いいから、いいから。それより熱は?」

「38度台が続いてんだよ。あ〜きつ。」

「薬は?」

「今山崎に粥作ってもらってる。」


『副長、お粥持って来ましたよ。』


ナイスタイミング。丁度山崎が出来立てのお粥を持ってきた。


「わざわざ悪いな。」

「いいえ。それよりちゃんと食べてくださいよ。薬があるんですから。」

「あぁ。」

「土方さん♪俺が食べさせてあげる。」

総悟はお粥を取ると、ポケットからマイ・七味を取り出し、お粥にまんべんなくかけた。


「お前何やってんのォォ!!!?」

「こうした方が食欲出るんですぜ。はい、あ〜ん。」

「ちょっ、自分で食べ……むぐっ!」


全く冷ましてもいない粥を土方の口に押し込む。


「美味しいでしょ?七味粥。」

「あふっ(熱っ)!!あふっ!!」

「でしょ?やっぱ美味しいでしょ?はい、もう一口。あ〜ん。」

「ひらなっ(いらなぃ)……ブフッ!!」


またもや熱々の粥を口に押し込む。

言っておくが総悟は決してわざとではなく、本人は至って真面目なのだ。

流石に山崎が見かねた。


「沖田さん!これ超熱いんですよ!ちょっ、副長に水!!」

「はいよ!水!」


枕元に置いてあったペットボトルを勢いよく土方の口にブッ込んだ。

土方はそのまま布団に倒れる。


「あれ?もう寝るんですかぃ?まだ2口しか食べてやせんよ。」

「もういい。火傷か辛さで舌が痛いからもう食べない。」

「大丈夫ですかぃ?じゃぁ違うの持って来ましょうか!バナナとかリンゴとか!」

「あ〜リンゴいいな。」

「山崎リンゴ持ってきて〜。」
「はいよ。」


山崎は心配そうにチラチラ土方を見ながら部屋を出た。


戻って来た時には綺麗に切られ、皮も剥いてある状態だった。


「何でぃ、切ってきたのか。せっかく俺が切ろうと思ってたのに。」

「あはは、すいません。」


もちろん総悟が切りたがると見込んで切ってきた。土方もホッと肩をおろす。


「また俺が食べさせてや…」

「いい!!これくらい自分で食べれる!!本当、マジでいいから!うん!ありがとう!!」

「そうですかぃ?」


土方必死だ。


食事を終え、薬を飲み、布団に入る。


薬が効いているのか、体がポカポカして汗が吹き出る。


「土方さん、顔赤いですぜ。大丈夫ですかぃ?」

「今薬飲んだからだろ。熱ぃ。」

「熱が上がってるんじゃ…」

「どうだろうな。」

総悟は汗で張り付いている土方の前髪を上げ、顔を近付けた。

おでことおでこをくっつけて〜♪
だと思えば


ゴチンッ!!



病人に頭突きをくらわせやがった。

いや、でも本人は熱を計ったつもりだ。


「副長大丈夫ですかァァァ!!!」

「………。」


返事がない、ただの屍のようだ。


「副長ォォォ!!!!!!」

「ん?今のわかんなかった。熱あんの?ないの?」

「今下がってる途中なんでそっとしといてください!!」


いつもは憎たらしい上司も、今は不憫でならない。


土方はそのまま寝に入ったようだ。多少熱が上がり『はぁはぁ』と苦しそうな声を出して寝ている。


「山崎ぃ〜、土方さん『はぁはぁ』してまさぁ。」

「安静にしとけば治ります。絶対安静ですからね。」

「頭のタオル取り替えやすね。」


生温くなったタオルを氷水に浸し、そのまま土方のでこにのせた。


ビチャ


水滴が落ち、枕を濡らす。


「沖田さん何やってんの!!」

「ん?タオル替えたんでぃ。ぬるかったから。」

「替えるのはいいですけどちゃんと絞ってください。」


代わりに山崎が絞るとボドボドと水が出てきた。


「土方さんよくなるかな?」
「なるんじゃないですか?(沖田さんが看病しなければ)」

「ん〜……あっ!今って何時!!?」

「2時前ですけど。」

「ヤベッ!見たいドラマがあるんだった!ごめん山崎、土方さんをよろしく!」


総悟はバタバタと部屋を飛び出して行った。 









土方が治ったのは予定より3日後の事。






おわり




つい裏目に出る総悟でした。


殺す気か!って言いたくなりますよね(笑)


.

[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!