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SSS
一定な距離をキープしなさい
 

土方がタバコを吸いながらボ〜っと歩いていると、これまたボ〜っとしている総悟とぶつかった。


「ちょ、どこ見て歩いてんでぃ。」

「そりゃこっちのセリフだ。」


そのまま別れようとした時、急に総悟が「痛い!!」と土方の腕を引っ張った。


「グッ、何だよ。」

「痛い!!動くんじゃねぇや!!」


見ると、タバコを持っている手の袖ボタンが総悟の髪に絡まっていた。


「おい、お前こりゃ…。」

「ちょ、動かすなって言ってんだろぃ。」

「これ思いっきり絡まってんぞ。取ってやるから座れ。」


痛くないように一定の距離を保つ。ドS王子が痛みに弱い事を知っているので表情を伺いながらゆっくりと手を動かした。

たった1回ぶつかっただけなのにどうなってんだと思う程絡まっていた。


「これさ、髪切った方が早くね?てか楽じゃね?」

「楽をしたがるなんて、歳とった証拠でさぁ。しかもはさみ取りにまた移動しなきゃなんでしょ。痛いし嫌でさぁ。」

「いや、でもこれ…。」

「あんた器用だからこれくらい出来んでしょ。」

「ん〜。」


一応試みてみるが如何せん、まるで糸みたいな髪に手こずる。


「これがこうなって……ん?」

「痛い痛い!もっと優しくしろぃ。」

「優しくしてんだろ。あともうちょっとなんだって。」


一生懸命解いている土方と総悟の元に近藤がやって来た。


「トシ〜総悟〜聞いてくれよ〜!お妙さんがさぁ〜!!」


そう言って総悟に思いっきり抱きつく。





ブチブチブチ!!!





「痛ぁぁぁぁ!!!!!」



その反動でまとめて抜けた髪。さすがの土方も「うわっ」という顔をして黙っているだけ。


「え、何?どうしたの?」

「う〜……近藤さんなんか嫌いでさぁ。」


総悟はそう言うととぼとぼと部屋に戻って行った。


「トシィィィ!!!総悟に嫌われちゃったよぉぉぉ!!!」

「今のはあんたが悪いだろ。」


そう言いつつも結局フォローに入る土方だった。






おわり


何か土沖の日常を書きたくて。


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