SSS
なくなって初めてわかるいとおしさ(真選組ver)
万事屋が髪が抜けて大騒動になってると時、真選組でも一悶着あっていた―――
昨夜は総悟と愛を確かめ合い同じ布団で寝ていた。
携帯のアラームが鳴り先に土方が目を覚ます。
「んっ……もう朝か。総悟、おい起き………え?ι」
「ん……もう少し寝かせ……は?ι」
お互い相手の顔を見て固まる。何故なら――
「「髪が長くなってる!!!」」
万事屋が抜け毛で大変な時、真選組では髪が長くなると言う奇怪現象に襲われていたのだった。
「総悟、お前……。」
体を起こすとお互い背中ぐらいまで髪が伸びていた。
「何ですかぃこれ。どうなってんでぃ。」
取れるのかと思って引っ張るが自分が痛いだけ。
「土方さん、俺の髪に何かしやした?」
「俺じゃねぇし。大体俺も長くなってんじゃねぇかι」
「長髪のあんた久しぶりに見た。」
総悟はサラッと土方の髪を触る。数年ぶりの手触りに何となく目を細めた。
一方土方は初めて見る総悟の長髪にムラムラ。
(ちょっ、何!こいつ可愛いんだけど!!)
長髪のお陰でいつもより大人っぽく見える。無意識に手を伸ばしかけた瞬間、屯所のあちこちから『ぬおー!!!』だの『なんじゃこりゃー!!』だの可愛げもない野太い声がこだました。
状況を見るため土方は全員を会議室に集めた。
ゾロゾロと長髪のムッサイ男共が入ってくる。
「こりゃ何てホラーだι」
「髪の毛の祟りですかねぃ。俺何かしたっけ?」
会議室が長髪で埋めつくされると最後に近藤が入ってきた。
だが近藤にその場にいた全員が絶句。
「皆髪長いな!!長髪トシ久しぶり!総悟も可愛くなっちゃって!!」
ガハハと笑う近藤の頭は……お天道様に負けないような輝きを放っている。
「近藤さん!あんた、ここに来る前に鏡見たか?」
「いや、見てないが。どうした、やっぱ俺の髪もどうにかなってんのか?」
頭を触ろうとした手を土方が止めさせる。これは言った方がいいのか、言わない方がいいのか。
「近藤さん、ツルッパゲになってやすよ。」
どうすべきと悩む土方をよそに総悟が自ら爆弾投下。
近藤は「え?」という顔をし恐る恐る頭を撫でると一際デカイ雄叫びを上げた。
原因は不明だが格好が警察官に相応しくないからと言って休めるものではない。非番のものは屯所待機で仕事の者は髪を束ねてすることになった。
「あれ?ん?土方さん結べないでさぁ。」
今まで髪を結んだ事がない奴が多いので出来ない奴には他の人が結んであげる。総悟もその一人で髪がパラパラほどけて上手く結べない。
「ほら貸してみろ。」
土方は口に紐をくわえて総悟の髪を整える。
(こいつ、いい匂いするな。)
シャンプーの匂いが鼻をくすぐる。
「土方さんみたいに上の方で結んでくだせぇ。」
「えっ、何?ツインテールがいいって?」
「ぶち殺しやすよ。」
下から上へ何度も櫛を滑らせ束ねていく。羨ましいほどのストレートで簡単には纏まらないが器用な土方にはなんのその。あっという間に総悟のポニテが出来上がった。
「ほら出来たぞ。」
「ありがとうごぜぇやす!」
総悟が振り向くと総悟には悪いが女にしか見えなかった。
「おかしくない?変じゃない?」
初めてのくくりでどうも気になるご様子。
「全然変じゃねぇよ。ってか髪触んなよ。ほどけたら厄介だから。」
「へ〜い。」
髪をなびかせると周りの隊士が寄ってきた。
「隊長凄く似合ってます!!」
「可愛いです!!」
「激しく萌え!!」
「そうですかぃ?」
周りから好評だった事に少し安心したのか照れ笑い。それがまた少女らしさが出て一同胸がときめく。勿論土方も。
「コホン、何か情報があれば知らせろ。仕事はいつも通り、持ち場につけ。」
土方の一言で解散する。
「総悟、お前は見廻り以外は俺の部屋で書類整理な。」
「え、嫌でぃ。」
「嫌じゃねぇ。お前のもたんまりあるんだよ。いいから来やがれ。」
「何でぃ土方のバカクソヘタレ。」
文句を言いつつも2人は副長室へと向かった。
ちゃんと仕事はしたのか、それとも保健体育の授業に入ったのかは定かではないが数時間程2人は部屋から出て来なかった。
おわり
仕事から帰って見たらパッと浮かんだお話です。
長髪総悟と土方は絶対人気になりそう。顔はいいですからね。長髪総悟見てみたい。
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