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おジャ魔女シリーズ小説
星に願いを(中学生・小竹×どれみ)
「りゅーせーぐん?」

お弁当を突付きながら首をきょとんと横にしてどれみが聞く。

「うん、そうだよ。今日の夜が一番のよく見えるんだって。」

かよこは目を輝かせて答える。

「へ〜っ!そうなんだ!かよちゃんって本当に物知りだよね。」

「そ、そうかな・・・。」

ニコニコ笑いながら言うどれみと、少し照れたふうに赤くなるかよこ。

「で、りゅーせーぐんってどんな生き物なの?」

ぴしっ

どれみのその一言で、かよこは、えっ?と固まってしまった。


  〜星に願いを、〜



中学校になると小学校よりも勉強はもちろん、部活もぐっと大変になる。

それはもちろん美空中学も例外ではなく、

中学生でも迷わずにサッカー部に入った小竹は同じくサッカー部に入った

木村やジーコと共に辺りが暗くなり、体がへとへとにバテるまで青春の汗を流していた。



今日も部下を終えた頃には辺りは真っ暗で、部室で着替えてへとへとのまま外に出ると、


夜の風が疲れた体に涼しく流れた。

いつもの分かれ道で木村、ジーコと別れ、家へと進む。

少し近道になるので公園の中を歩いていく。

ふと空を見上げると、星がいつもよりきらきらと輝いていて

自分はそうゆう風情とか情緒とかを楽しむ事に長けた性格ではないとは思うのだが、

この星空には素直に綺麗だな、と言う感想を抱きふと足を止めて空を眺めた。

すると、きらりと一粒星が流れた。

「「あっ!!」」

驚いて叫ぶと、どう考えても自分の物よりもはるかに高い声がハモった。

しかも多分あの声の主は。

目線を空から下に下げ、辺りをきょろきょろと見回すと、

やっぱり同じようにきょろきょろと辺りを見回している赤いお団子が目に入ってきた。


と、同時にたった一言の声で誰かが分かってしまった自分に少しの尊敬と、

呆れを抱いて少し笑ってしまった。

「ん?あ、やっぱ小竹だっ!今帰り〜?」

芝生に座って空を見ていたどれみが手を振って声をかけてくる。

「おお。運動部は大変なんだぜ〜。どじみは何してんだ?こんなとこで。」

「だ〜か〜ら〜!どじみって言うな!何度言ったらわかんのさ〜!!」

ぶーっと怒るどれみに小竹はぷっと笑う。

こんなに疲れているのに、なぜかどれみとしゃべると元気になる自分がいる。

俺もどんだけだよな、と自分で突っ込んでから、自分も自然にどれみの横に腰かける。


「はいはい、わりかったよ。で、何やってんの?こんな時間に。

 女子中学生が一人で外にいるにはちょっと遅いんじゃねーの?」

「わかればよしっ!」

にこっと笑ってどれみは答える。

「今日はね、流星群が来るんだよ。」

「りゅーせーぐん?」

「そうっ!小竹、流星群って何か分かる? 」

「何だよそれ?」

えっへへっとどれみは少し胸を張って小竹の方を見た。

「流星群っていうのはね、簡単に言えば流れ星の大群の事なんだよ。

 ホントはもっとややこしいんだけど、・・・まあ、その、小竹にはちょっと
 
 難しいと思うから言わないでおいてあげるよ。」

かなり得意げに言うどれみ。

でもそのあいまい加減に、引っかかるものがあり小竹が返す。

「そんな事言ってお前も詳しい事はしらねーんじゃねーの?

 この流星群の事だって、どうせ長門とかに聞いたんだろ?」

「なっ!!」

一瞬怒ったような顔をして、どれみはすぐにへなへなーっとなる。

「なんで分かるのさ〜。」

「そりゃ分かるに決まってんだろ。何年腐れ縁やってると思ってんだよ。」

「それもそうだね。もうお互い見飽きてるもんね。」

そう言うと、二人は顔を見合わせてぷっと吹き出すと、あははははっと笑いあった。


ーまあ俺は見飽きることなんて無いけどな。   内心ではそんな事を思って。


ひとしきり笑って、ふと空を見ると、またきらりと星が流れる。

「あっ!」

小竹がまた声を上げる。今度はハモらなかったのでふと隣を見ると、

どれみが必死に何かを祈っている。

が、みるみるかなしそうな顔になっていく。

「あーまた三回唱えられなかった〜!!」

実に悔しそうにそう言った。

「そんな真剣に何願ったんだ?」

小竹はふと疑問に思い聞いた。

どれみは一瞬小竹の質問に固まった後、はっとして答える。

「だっだめ!!お願い事を誰かに言っちゃうと叶わなくなっちゃうんだって!

 だから絶対教えない!!」

「うおっ!まあ、別にいいけど・・・。」

どれみに気おされて押し黙る。

少しの間、空をぼーっと眺め、少し肌寒さを感じてきた。

もう完全に部活での熱も無くなってしまい、夜本来の温度を感じたのだ。

そして思った。

「どれみ、いつからここにいるんだ?」

「ん?そうだな〜、日が沈む少し前位からだから六時半くらいかな?」

部活が終わったのが八時過ぎ位だったので、今は多分九時近いと思われる。

「お前、さぶくねーのかよ!!?それ以前に無用心すぎるだろ!!!」

憎まれ口をたたく事も出来ずに小竹は大声を上げてしまった。

「ん〜・・・そりゃちょっとはね。でも・・・叶えたい事だからさ。」

小竹が普通に心配してくれた事に少し驚いたどれみは、少しどもりながら、

それでも意思のある目をして言う。

正直、どれみの事だからステーキ食べたいとかそんな願いだと思っていた小竹にとって、


この真剣などれみの表情は驚きだった。

でも、そんな長く公園でじっとしているのは危ないし、体も冷えてあまりよくない。

一瞬つれて帰った方がいいのではないかと考えたが、あんな真剣な顔を見た後で

出来るわけも無く、

「じゃあ、あと一回な。次に流れた星で願い事言えなかったら帰ろうぜ。送ってやるから。」

そう言う事しか出来なかった。

その発言にはかなり驚いたのか、どれみは大きい目をいっぱいに広げた。

「わ、わかった!がんばってみる。」

そう言って、じっと空を見た。


キラ 


どれみがぐっと力を込める。

その場に緊張が走り、しんっとした空気が流れる。


ふっとどれみが肩の力を抜いた。

「言えたか!!?」

小竹が力強く聞く。

どれみは小竹の方を向いて、にこっと笑った。

「うん!ありがとう、小竹。」

その笑顔に、小竹はかなりびっくりして、顔を少しだけ赤らめた。

照れ隠しに目線を少しだけ逸らしてから、

「よし、じゃあ帰るぞ。」

そう言って、歩きはじめた。





「なあ、どれみ。実はさっき、俺も願い事したんだ。」

「えっ?そうなんだ。何々?どんなの?」

「おい、どれみ。言っちゃだめだってさっき自分で言ってたんじゃなかったか?」

「あっ・・・そうだった。つい、ね。」

「ははっ。まあどれみらしいけど。叶うといいな。お前のも、俺のも。」

「そうだね。・・・大丈夫。きっと、叶うよ。」





どうかずっと一緒にいられますように―――――


          (あー、やっぱがらじゃねーなぁ。)













〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ここまで読んで下さった方、本当にありがとうございました。

小竹とどれみのペア、書けて本当に幸せです。
イメージ的には、この二人は中学になって、少しだけ大人になったけど、
関係的にはあまり変化ない感じです。

最後のやつは小竹の願い事です。どれみの願い事はあえてふせます。



文章が下手なのは、すみません。
読んで下さった方が少しでも楽しんでいただけていれば幸せです。



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あきゅろす。
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