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銀魂小説
手紙(3Z・神楽)
自分の髪と同じ色のピンク色の便箋。

 そこに自分の目と同じ色の水色のペンで神楽は手紙を書いていた。


 『拝啓、天国のマミー
 
  お元気ですか?私はとっても元気です。

  いつもマミーが言っていた日本は、私にもやっぱり合うようです。

  こっちに来て、たくさんの出会いがありました。

  そりゃ・・・嫌な奴もいます。でも私、毎日がスッゴク楽しいです。

  ねぇ、マミー。

  銀玉高校って凄く凄く素敵な所アル。



  〜手紙〜


それはまだ、神楽が自分の家で住んでいた時の話。

神楽には母親と父親と兄が居た。

が、父親はいつも出張で家にずっと居た試しが無く、兄はさっさと家を出てしまい行方知れず。

残された母親は、時々通帳に入っている夫からの仕送りと、自分の稼いだお金で神楽を育てていた。

しかし、そんなある日の事。

神楽の母は重い病気にかかってしまった。

元よりさして健康ではない体質だった上に、日ごろの疲れが溜まりすぎたのだ。

それでも母親は働き続けた。そして同時に小さな神楽にでも覚えられる事は全て神楽に教えた。

そして母親は、とうとう神楽が5歳の時に寝たきりになってしまった。

神楽はできる限りの努力で母親の看病をした。

泣きたい気持ちをぐっと堪えて神楽は母親に笑顔を向けて接した。

そうすれば母親はいつも「ありがとう」と言って微笑んだ。

そうして時は流れ、神楽が7歳の時に母親は亡くなった。

亡くなる少し前に、神楽は母親にお話をせがんだ。

それは、まだ神楽が小さかった頃に母親が話してくれた、母親の若い頃のお話。


――――日本。そこで出会ったたくさんの感動。友情。

    中国に戻れなくなった母親を優しく迎えてくれた人たち。

    そして中国に帰る日、ささやかに、でも盛大に、送り出してくれた人たち。

    別れ際に見せてくれた涙。      


神楽は憧れた。お世辞にも良い環境とは言えない場所で暮らしている神楽にとって、

そこはまるで夢の様な場所だった。

だから神楽は決めた。7歳のあの日に誓った。

必ず日本に行ってみせると。。。

そして神楽はある日仕送り金を全て使って故郷を旅立ったのだ。




 最初に会ったのは銀ちゃんセンセ。

 身寄りの無い私を居候として家に置いてくれている恩人です。

 そして次に会ったのがそよちゃん。絡まれてる所をたまたま助けたのが出会いでした。


 そして女として、人として、本当に尊敬できる姉御も、すぐに出来た友達です。

 でも、どうしてもそりが合わない奴がいます。隣に座ってる沖田って言います。

 どうしてか喧嘩してしまうんです。まあ、嫌いだから良いんだけど。


 その後も私には沢山の出会いがありました。真面目そうな顔した不良かと思ってたら


 ただのマヨラーだったり、姉御に付きまとうゴリラとか、地味とか、M子とか、

 本当に沢山の出会いがありました。

 そよちゃんや姉御とも、もっと仲良くなれたし、銀ちゃんセンセはとってもいい人だし、

 一番厄介な沖田とも、まあ一緒にお祭り行った事もあります。相変わらず喧嘩だらけだけど。

 でも、今とても楽しいです。本当に日本に来て良かったです。

 
 ねぇ、マミー、私ここでマミーが感じた素敵な物、私も感じていると思うんです。

 マミーにはそれを、一番に知ってもらいたかったんです。

 マミー、お手紙読んでくれてありがとう。これからもずっと見守っていてね。

                                神楽     』








〜〜〜〜〜〜〜

神楽が銀高に来る前の話です。

ここまで読んで下さった方、本当にありがとうございます!!

あなたの優しさに感謝です。



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