[携帯モード] [URL送信]

銀魂小説
出会いざま、君(3Z・土そよ・沖神)
3Zの次の授業は理科の実験。

そよは神楽と一緒に実験室へ移動中。

  
   〜出会いざま、君〜


笑顔で会話していた神楽の顔が急に鋭くなった。

前を見るまでもなくそよは納得する。

「沖田〜〜!!!覚悟ォォォォ!!!」

そう言うと神楽は向かいから歩いてきた沖田と土方のほうへ猛スピードで走っていった。

そよも慌てて神楽の後を追った。

神楽の放った手等は沖田に見事に止められた。

ドゴッ!バギッ!!ガゴッ!!!

なんだか普通では聞けることのない痛々しい音が響く。

(何か、最近激しいなぁ。喧嘩。
 
 前まではどちらかって言うと沖田君が神楽ちゃんを怒らせて喧嘩してたようだったけど、

 最近は神楽ちゃんから攻撃してるし。

 何か・・・あったのかな?何か殺気が3割増だし)

そう思ったがそよはあえて神楽に聞きはしなかった。

神楽が言いたくなった時に聞こう、そう思っていた。

ふと喧嘩から目を離して同じ様に喧嘩を観戦している土方を見た。

土方も呆れた顔をして喧嘩を見ていた。

なんだかとても土方らしくてそよは目が細くなる。

と、思ったらそよの視線に気づいたのか土方がこっちを向いて目線があった。

そよはぱっと目線を逸らした。

―――顔が熱い。きっと今、私すっごく顔赤い。

それに気づかれても困るので顔をうつむけたまま神楽の服のすそを引っ張ってそよは言った。

「神楽ちゃん、早く行きましょう?遅れてしまいます。」

神楽は蹴りを止めて廊下に掛かってる時計を見る。

「あ!!ホントネ! 後3分しかないアル!そよちゃんごめんヨ!!」

そう言うと神楽はそよの手を取って駆け出した。

そよにとってはそれは好都合で、そのまま顔をあげずに走りされた。


「沖田のバーカ!!お前なんて授業に遅れて立たされればいいアル!!」

神楽が振り向いてそう言った時もそよはうつむいたままだった。




「沖田のバーカ!!お前なんて授業に遅れて立たされればいいアル!!」

「ぶッ!!」

神楽が言い残した言葉に沖田は思わず噴出してしまった。

「おい、総悟。お前なぁ・・・」

そう言って呆れている土方に沖田はにやっとして言う。

「そんな事より土方さん。徳川さん、また見てましたねぇ。」

「なっ!!」

眉間にしわを寄せて驚く土方の姿に、沖田は畳み掛ける。

「頬ォ赤らめて俯いてやしたねぇ。・・・ありゃぁ恋する乙女の顔ですぜィ。

 どうすんですかィ?あんな純情そうな人、泣かせたら大変ですぜィ? ただでさえ顔も怖ぇのに。」

「ちょっと待てっ!!最後のは何だ!?やんのかオラ!!」

「はぁ、土方さんはそれだからこまりまさぁ。そんなんしてたら嫌われますぜぇ?」

そう言って沖田は走って行った。実験室とは逆方向に。

「おいっ!総悟。忘れもんならここじゃねぇか!!」

そう言ってZ組を指差す。

「俺が忘れもんする訳ねえでしょう?誰かさんとはここが違いまさぁ。」

そう言って総悟は自分の頭を親指で示す。

「俺ァ、サボるために出てきたにきまってんでしょ。」

当たり前の様に言う沖田。

はぁ。なんでこいつはこれでテストの点数いつもいいんだ?

い呆れた土方は忘れてしまったプリントを自分の机から取り出して、一人で実験室に向かった。

――――徳川が・・・?そんな虫のいい話がある訳がねえ・・・。

さっきのことをぼぉっと考えながら実験室に向かった。






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ここまで読んで下さった方、有難うございました。

今回は土方そよの絡みをいれてみました。

そよも土方も、神楽と総悟の親の様な立ち居地で二人を見守っているイメージがあります。

そしてさらにその上から全てを熟知しているのがお妙さんと銀さんかなーみたいな。


でも神楽も総悟もしょっちゅう予想だにしない行動ばかりとるから皆心配・・・みたいな。



[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!