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1000hit/2000hitお礼リクエスト小説
倖せ(昧依様リクエスト・フルバの由希真知で、由希からのプロポーズ話)
   ピンポーン

軽快なリズムで、来客を記すチャイムが鳴った。



由希が大学に入学して、一人暮らしをはじめて3年。

初めこそ慣れない事も多かったが、美しい部屋を保つことに一番に気を配り、

ご飯作りも必死で本と睨みあいながら始めの頃こそどうしても美味しい物にはならなかったが

序所になんとか形になっていき、今ではそれなりに食べられる物も作れるようになっていた。



来客の主は分かっていた。

由希が大学に入学して一年後。由希を追って同じ大学に入学して、今はすぐ近くのマンションで

一人暮らしをしている、最愛の人。

いつもなら気楽な動作で、ほんのりと暖かな幸せを感じながらマンションの扉を開けるのだが、

今日はいつもとほんの少し違う気持ちで、立ち上がった。





「透と夾の結婚式の写真が現像できたんだけど、見る?

 この前見たいって言ってたよね。」

部屋に上がり、机を囲んで由希が写真を出した。

「うん。見たい。」

真知がこくりとうなずく。

にっこりと微笑んで由希が写真を差し出した。

一枚一枚写真をめくる。

「・・・綺麗。」

ふわり、

幸せそうに微笑む花嫁。

彼を、たった一人の最愛の、彼を、

守ってくれていた人の、心からの笑顔。

心から倖せそうに微笑む、花婿。

気がつけば真知も、笑みがこぼれていた。



「うん。本当に。二人ともいつも幸せそうだったけど、

今まで見た二人の中で、一番幸せそうだったよ。」

そう言ってふんわりと、由希も微笑んだ。



ゆっくりと、由希が動く。

真知の手に、自分の手をそっと、重ねる。

「ねえ、真知。」

じっと、二人の目が合った。

トクン、トクン。

早鐘では無い。でも、静かに、確かに、心臓が緊張を訴える。



「結婚、しよう。」

一瞬、喉の引く音がした。



由希が続ける。

「これからも、ずっと、一緒にいよう。」



「うん。」

泣きそうな、でも、倖せな笑顔で、真知はうなずいた。

そして続ける。

「ずっと、思ってた。

 いつか、家の扉を開く時、

 いらっしゃい、おじゃましますが、ただいま、お帰りになればなって。」



由希は重ねた手をそっとずらして真知の額に寄せた。

そしてふわりと微笑んで、

「俺もだよ。」

そう言って、易しくキスをした。













それから少し後の事。

「あれ?ちーちゃん指輪とか付けるんだね〜。」

小牧が真知の薬指に付いた指輪に気づき、指摘した。

「何なにっ!?二人で交換でもしたの?」

翔も興味津々に突っ込んでくる。

真知はとたんに赤くなると、

「やっぱりはずすっ!」

そう言って、指に手をかけ、そこで固まった。

外すのをやめた真知を見て、くすっと笑ってから由希が答える。

「交換ってゆうか、婚約指輪だよ。」



「そうなんだっ!おめでとうっ!!」

小牧が笑顔で言い、

「大人の階段、上っちゃったんだぁ・・・。」

翔が言い、

真知に思いっきり殴られた。

「だから何でそうゆう事言うかなぁ。」

由希が呆れたようにつぶやいた。

翔は、あははっと楽しそうに笑ってから、

「でも、ま、良かったな。」

そう言って、にっと笑った。










〜〜〜〜〜〜〜〜

昧依様、素敵なリクエスト、ありがとうございました〜っ!!

フルバの由希真知で、由希からのプロポーズ話、すごく楽しく書かせていただきました。


由希はプロポーズは二人きりの時にしそうかなって思ったので、

翔は後日談という形で出してみたした。

少しでもご期待に添えていれば嬉しく思います。

駄文ではございますが、もしよろしければお持ち帰り下さいませ。



これからも、またいつでもおこしくださいね。



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