1000hit/2000hitお礼リクエスト小説
雨宿り(土佐藤様リクエスト・おジャ魔女、中学設定、小竹→どれみで雨宿り)
中学校からの帰り道、ぽつりぽつりと雨が降り出したかと思うと、
その雨が急に強さを増して、途端に土砂降りになった。
「なんでぇ!?今日は雨降らないって言ってたじゃんっ!!」
そんな雨の中、傘も刺さずに頭に鞄を掲げて走っている女の子が一人。
美空中学の2年生、春風どれみである。
夏とは言え、こんな土砂降りの中で走っていたら風邪をひいてしまう。
どこか雨宿りできる所は、ときょろきょろしていると、バス停を発見した。
慌てて走りこむ。
はぁ、はぁと息を整わせて前を向くと、そこには見知った先客がベンチに座っていた。
「あ、小竹じゃん。あんたも傘、忘れたの?」
同じように頭からバケツの水をかぶったような格好をしている小竹に
にやにやと聞いた。
いつもの様に憎まれ口が返ってくると思って構えたのに、
小竹は思いっきり顔を赤らめながら、慌てて部活のバックを開けると
がさごそと中身をさぐり、ユニフォームを投げて叫んだ。
「それ、着とけっ!!」
投げられたユニフォームに戸惑い、
「何!?何で突然?」
柄にも無く小竹相手におろおろしていると、
真っ赤になって顔を背けていた小竹が、ちらりとどれみの方を見て
「別に、俺は構わねぇけどな・・・。」
そう言って胸の辺りを目で示す。
その視線に則されてドレミも自分の胸の辺りを見て、驚いた。
夏服のブラウスが雨に打たれて体にピットリと張り付き、鎖骨や肩の薄さがはっきり分かり、ブラジャーも透けていた。
「 あっ・・・これ、ありがとう・・・。」
羞恥で頬を赤らめて、小竹のユニフォームを着る。
思った以上にぶかぶかで、小竹との伸長差を改めて感じた。
「 ・・・とりあえず、座ったら?」
小竹がぽん、と自分の隣の空いている席を叩いた。
まだ雨はザーザーと降っていて、止むまで結構かかりそうだなと判断し、小竹の隣に腰掛けた。
少しの間、雨の音だけが流れる。
どれみがぽつりとつぶやいた。
「 ねえ、あんたさ、何か今日、元気無くない?」
いつもなら二人でいて、喧嘩にならない事の方が少ない。
それはだいたいが小竹の発言から始まるのだが、今日の小竹はいつもの数倍大人しかった。
「 そんなんじゃねえよ。」
その言い方もいつもより元気が無くて。
「 やっぱあんた何か変だよっ。もしかして風邪ひいちゃったんじゃない!?」
そう言ってどれみは小竹の体を掴むと、自分とむき合わせて小竹の額に手を当てた。
「 なっ!バカっやめろよっ!!」
小竹は物凄く驚いてガタッと立ち上がる。
そして上からどれみを見下ろして、はあ、と一つため息をついた。
「 なっ、何さっ!人が心配してんのにため息って!」
どれみがぷくっと頬を膨らませた。
小竹は自分の顔に手をかざすと
「ごめん。その、・・・格好がさ・・・気になって。」
どれみには少し大きすぎるユニフォーム。
胸は隠れるが透けた鎖骨や肩はしっかりと見えてしまっている事は先ほどとは変わらず、
しかもぶかぶかな自分の服を着てるのは、自分が思いを寄せている相手。
先ほどとはまた少し違う形で目のやり場に困る。
「 なっ・・・///」
赤くなる小竹に、同じく照れるしか出来なくなってしまうどれみ。
少しだけ間があり、
ぷっとどれみが吹き出した。
それから堰を切ったようにあははは、と笑いだすどれみ。
何だ?という風に驚く小竹に、
「 いや、だってさ、いつもと調子ちがうからどうしたのかなって思ったら、そんな事かぁ」
笑いながら、言う。
楽しそうに笑うどれみに、小竹も何だか笑いがこみ上げてきて、二人で笑いあった。
「 あ、小竹。雨、上がったよ。」
ひとしきり笑った後、たわいの無い話をしていると、いつの間にか雨が上がっていた。
「お、ほんとだな。よしっ帰って漫画よむぞっ!」
そう言って二人ともベンチから立ち上がる。
小竹はどれみの方を見て、
「 多分まだ制服乾いて無いだろうし、恥ずかしいかもしんねーけどそのまま帰れよ。」
少し照れながらそういう。
どれみはまた、くすりと笑うと、
「 ありがとうね、小竹!」
笑顔でそう言った。
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土佐藤様、素敵なリクエストありがとうございましたっ!!
おジャ魔女、中学設定、小竹→どれみで雨宿り 楽しく書かせていただきました。
小竹が素直なのは少し大人になったのでは・・・という考えからです。
少しでもお気に召してくれれば嬉しく思います。
駄文ですがよろしければお持ち帰り下さいね。
それでは、またいつでもお越し下さいね。お待ちしております。
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