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クランプ系小説
私立・堀鐔学園 〜調理実習にドッキドキ!(私立・堀鐔学園、オールキャラ)
黒モコナ「私立、堀鐔学園。
     幼等部、小等部、中等部、高等部、大学、大学院とでなるこの巨大な学園は、

     とある人物が私財のみで完成させた巨大な一つの都市であり」

白モコナ「寄宿舎、研究所、映画館、病院、銀行などのありとあらゆる施設が整ったこの学園には、
     学生、職員、関係者、その他家族など合わせてなんと一万人以上が登校、生活している。」

黒モコナ「と、なんだかどこかで聞いたような設定の堀鐔学園。
     今回は楽しくて美味しい調理実習のお話。」





先生の雰囲気のせいなのか、はたまたお昼の次で眠い時間帯だからなのか、

それとも真面目な生徒が多いからなのか、もしくはその全てが作用してなのか、

なんともなごやかな雰囲気のB組5時間目の家庭科の授業、残り5分を過ぎたところでユゥイ先生がプリントを閉じた。

「はい、じゃあ調理実習の説明は以上だよ。来週は5、6時間目を使ってC組と合同で調理実習本番だから、
 皆エプロンと三角巾を持参して、家庭科調理室に集合してね。」

ユゥイ先生が出て行った後、四月一日が感涙のあまり肩を震わせて叫んだ。

「ついに待ちに待った調理実習!!楽しみだな〜!!」

「四月一日君は料理上手だもんな。」

その姿を見て、小狼がクスっと笑いながら声をかけた。

四月一日がくるっと振り向いて目をキラキラさせながら答える。

「そうかな?ありがとう、小狼。

 でも楽しみなのは料理よりも・・・・」


   私立・堀鐔学園 〜調理実習にドッキドキ!〜

「 小狼君!」

放課後、B組の教室で鞄に荷物を詰めながらサッカー部の準備をしていた小狼に

聞きなれた優しく凛とした声が飛び込んだ。

「 サクラ!」

ぱっと振り向いた小狼の顔が綻ぶ。

「あのね、今日フィギアスケート部ミーティングだけで終わるってさっき聞いたんだけど、
終わったら・・・その、小狼君の部活、見に行ってもいいかな?」

頬を赤らめながら言うサクラに、

「 えっ・・・うん、いいよ。」

小狼は少し驚いた顔をしてから、頬を染めながらにっこりと頷いた。

「 ぷぅ!サクラと小狼ラブラブだぁ!」

「 小狼、張り切り過ぎて四月一日みたく失敗するなよ〜。」

一部始終を見ていた白モコナと黒モコナがぴょんと飛び跳ねて茶々を入れた。

「 四月一日みたくは余計だろっ!!」

黒モコナの発言に四月一日はびしっと突っ込みを入れる。

「 まぁ小狼なら大丈夫だろ。四月一日と違って。」

もう弓道部の準備を背負って外に出かけていた百目鬼がポツリと言った。

「 おいコラ百目鬼!ちょっとそこに倣え!!」

四月一日がビシッ百目鬼を指差して言った。

「 じゃあな。あ、四月一日、明日の弁当は煮干と出し巻き卵と・・・あと焼き鮭な。」


そう言い残し百目鬼はすたすたと行ってしまった。

「 人の話を聞きやがれっ!!だいたい何で俺があいつに弁当のネタ合わせなきゃなんねえんだよ!」

ぶつぶつと文句を言っている四月一日に、サクラと小狼はにこっとして言う。

「 でも本当に毎日美味しいよ。四月一日君のお弁当。ひまわりちゃんも毎日すっごく喜んでるし。」

「 ああ、本当に凄いと思う。父さんといろんな所を回っていろんな物も食べたけど、

ここまで上手い人はなかなか居なかったよ。」

その言葉で四月一日は ぱぁっと顔をほころばせる。

「 そっかな?そう言われるとやる気出るなあ!ありがとう。二人共!」

話が落ち着いたところで小狼が荷物を背負い皆に向かい言った。

「 うん、それじゃあ、俺ももう行くから。それじゃあ皆、また明日。サクラは、また後で。」

「 後でね。じゃあひまわりちゃん待ってくれてるから私もこれで。ばいばい、みんな。」


サクラも手を振って出て行った。

「 それじゃあ モコナ達も帰ろっか。」

「 おうっ!四月一日も帰るか?」

「 うん。じゃあ一緒に下まで行こうか。」

気がつくと教室には三人以外いなくなっていたので、鍵を閉めて教室から出た。






「それじゃ、ひまわりちゃん。また明日。」

「 また明日、サクラちゃん。見学付き合えなくってごめんね。」

「 ううん。大丈夫だよ。ありがとう。」

ミーティングが終わり、ひまわりと別れてサッカー部の見学に向かおうとサクラは校庭を歩いていた。

「 あ、サクラちゃんだ〜。」

がらがらっと窓を開け、化学のファイ先生がひょいと出てきた。

「ファイ先生!こんにちは。ま、窓、気を付けてくださいね・・・。」

「うんありがとう。でも慣れてるから大丈夫だよ。
 それより今日はフィギアスケート部、ミーティングだけなんだよね〜?」

「 はい、そうなんです。何で知ってらっしゃるんですか?」

「 あはは、運動部総括顧問の黒るんせんせーが言ってたからだよ〜。」

「 あ、なるほど。ファイ先生と黒鋼先生は本当に仲よしですね。」

「 ん〜、まあね。あ、そうだ。先生で思い出したんだけど、サクラちゃんのクラス、

来週B組と合同で調理実習なんだよね?ユゥイせんせーが言ってたんだけど。」

「 はいっ!そうなんです。お料理得意じゃないけど、頑張りますっ!!」

「 うん、なんたって小狼君と一緒に作るんだもんね〜。」

「 は、はい////」

「 ところで調理実習では何を作るの?」

突然学園理事長の侑子先生が出てきた。

「 わあっ!!侑子先生!!こ、こんにちは。」

「 侑子せんせーこんにちは。今日も突然ですね〜。」

サクラが驚いて言い、ファイはにへーっと言う。

侑子先生は先ほどファイ先生が開けた窓からひょいと出てきた。

サクラは侑子先生も窓、気を付けて下さいねと、言ってから質問をの返事を返す。

「調理実習では 苺と生クリームのホールケーキと、ホワイトソースのマカロニグラタンを作ります。」

「 いいわねぇ、当日は食べに行かせてもらうわね。」

うふふっと笑う侑子先生に、サクラはパアっと喜んだ顔になる。

「 はいっ!四月一日君もいるので、すっごく美味しい物が出来ると思いますっ。」

「 え〜、いいなぁ。侑子せんせー。ねぇ、サクラちゃん、俺も6時間目終わってから行っていいかな?」

うらやましそうに言うファイ先生にサクラはにっこりと言う。

「 はいっ!もちろんです。もし大丈夫そうなら黒鋼先生もご一緒にどうぞ。きっと皆喜びます。」

「 うん、ありがと〜。じゃあ是非黒ぽんせんせーと一緒によらせてもらうね〜。」

「でも今は男の子も一緒に調理実習をする時代なのねぇ。」

「 えっ?前は違ったんですか?」

「 ええ。昔は女の子は家庭科、男の子は技術、って分かれてたから
調理実習も女の子だけだったのよ。」

「へぇ、そうだったんですか。」

驚いたようにサクラが返す。

「 だからいっつも家庭科が終わった後にはバレンタインデーみたいな大騒ぎ。」

「それはそれで楽しそうですね。でも、やっぱり皆で作る方がずっと楽しいです。」

えへへっと笑うサクラを二人の先生は優しい目で見る。

「 あ、それじゃあ私はこれで。」

「 あ、そうよね。これから小狼君の部活の見学なのよねぇ。いってらっしゃい。」

「 っ!どうしてそれを・・・!」

「 うふふ。侑子先生に隠し事は出来ないのよ〜。」

「 うわぁ。さすが侑子先生だぁ。それじゃ、サクラちゃん、応援、がんばってね。」


「 /////はい。失礼します。」



かけていくサクラの姿を見ていたファイ先生がふっと微笑んで言う。

「 本当に、いい子達ばかりですね〜。ここは。」

「ええ、本当に。」

侑子先生も優しい笑顔で微笑んでいた。








キーンコ「 ひ〜まわ〜りちゃ〜んっ!!!!」 ーン


四月一日が五時間目を告げるチャイムの音をも打ち消すほどの有頂天な叫び声をあげた。


今日はB組とC組合同の調理実習の日。B組の生徒もC組の生徒も関係なく合同で班を作る。

四月一日、百目鬼、小狼、小龍、サクラ、ひまわり、白モコナ、黒モコナもいつものメンバーで

自然に班を作り、作業にとりかかった。

「 それにしても可愛いね〜、ひまわりちゃん。その黄色とオレンジのチェック柄のエプロン!
俺ずっと楽しみにしてたからさぁ」

ぽわ〜っとしながらでも手はしっかりと混ぜながら、四月一日が言う。

「そうかな?ありがとう、四月一日君。四月一日君もすっごく似合ってるよ。その割烹着。」

にこっと微笑んで笑うひまわりにそうかなぁ〜と照れながら四月一日が返事をする。

「 うん、とっても似合ってる。お母さんみたいだよ。」

けろっとそんな事を言ってのけたひまわりに四月一日は お、お母さん・・・と肩を落とした。

「 騒がしいな、お母さん。」

ぼそっと百目鬼の声が飛ぶ。

「てめえにだけは言われたくねぇ!」

復活した四月一日は火加減の調節をしながらびしっと百目鬼に突っ込みを入れる。

そしてサクラの方を見て言う。

「 サクラちゃんも可愛いね。その桜模様のエプロン。」

一生懸命プリントとにらめっこしながら肉を切っているサクラににこっと笑いながら声をかけた。

そして野菜を茹でていた小狼に声をかける。

「 な?小狼。」

「 う、うん///本当に似合ってる。」

いきなり自分に振られると思っていなかった小狼は少しどもってから頷く。

「あ、ありがと///」

かあっと顔が赤くなる二人を、小龍は器を出しながら微笑んで見ていた。

「 モコナもかわいいっ!!ね?」

白モコナがぴょんっと飛んだ。

「 うん、かわいいね。モコちゃん。」

「 うんうん、ホントに。」

ふふっと笑ってケーキ生地をオーブンに入れながらひまわりとサクラが答える。

「 えへへ〜、モコナもてもて〜」

「それにしても小狼と小龍もモコナ達と同じで、二人で同じ柄のエプロンなんだな。」


塩とコショウを入れていた黒モコナがふと思いついたように言う。

「 ああ、俺達エプロンを持ってなかったから、この前の日曜に一緒に買ってきたんだ。」


「 旅の時に使ってたエプロンはちょっとぼろぼろだったから。」


「 双子で同じエプロンってなんかいいよな。」

四月一日がお皿にグラタンの具を入れながら言う。

「俺はこの学校を出たすぐのスーパーで買ったけど。」

百目鬼が返事をする。

「 何でお前と同じの買わなきゃなんねーんだよ!!」

四月一日が突っ込みを入れる。

あははっと笑いながら小狼と小龍がグラタンを使っていない方のオーブンに入れた。








ケーキの飾りつけが完成したと同時にチンっとグラタンのオーブンが完成の合図をあげた。

がちゃっとオーブンをあける。

「 うわあ!美味しそう!!」

白モコナが声を上げた。

「 まあ本当においしそうにできたわね。」

突然後ろから侑子先生の声がした。

「 うわあっ!!!びっ、びっくりした・・・。」

小狼が驚いて後ろを向く。

「なんでいつも突然なんですか!!」

四月一日も驚いて声を上げる。

がらがら〜っと窓を開けて侑子先生が入って来た。

「その方が楽しいでしょう?」

「侑子先生、来てくれたんですね。」

ひまわりが嬉しそうに言う。

「隣にドアがあってもやっぱり窓から入ってくるんすね。」

百目鬼が突っ込みを入れる。

と、別の足音が二つ聞こえてきた。

「 お〜、美味しそうにできてるね〜。今日は食べさせてもらう気満々で、
 黒みー先生も俺も、何も食べてないんだ〜。」

ファイ先生も侑子先生同様窓から入ってくる。

「 だからなんで窓なんだよ!!今は緊急時じゃねーだろうが!」

そう言いながら黒鋼先生がドアを開けて入ってきた。

「 えーん、侑子せんせー、黒む〜先生がノリ悪いよ〜。」

「よ〜しよし、黒むー先生のお仕置きはまた後で考えましょう。」

「 わぁいっ!お仕置きだあ!!」

「 だから何でだよっ!」

そう突っ込んで、黒鋼先生は生徒達を見た。

「でも本当にいいのか?俺達までもらっちまって・・・。」

小龍がにっこりと笑って答える。

「 はい、大丈夫です。」

続きをモコナ達が言う。

「 サクラから先生達が来てくれるって聞いてから
 ユゥイ先生に頼んでぇ」

「 先生の分も材料増やしてもらったんだ!」

「そうなのか。」

黒鋼先生はそこで一泊おいて、皆をぐるりと見回してから言った。

「 ありがとうな。」


「 それじゃ、遠慮せずに、頂きましょうか〜。」

侑子の言葉を境にして、先生も交えた試食会が始まった。





「 ユゥイ、どう?だいぶ学校慣れて来た〜?」

「 うん、ここの子達は本当にいい子達ばっかりだね、ファイ。」

「 あはは〜、先生もいつもこの調子だからね〜。」

「 堀鐔学園、今日も平和だね。」





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ここまで読んで下さった方、本当にありがとうございます。

言葉使いとかまちがってたらごめんなさい;;
それにしてもこの話を書くのは、すっごく楽しかったです.。



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