main 寒空の中で 「・・・さむい」 そんな言葉も自然と口をついて出てくる1月 今日は近年まれにみる気温を記録していた 「なんかもう、寒い通り越して痛いよね」 「確かになー」 「ほら、手なんてこんなに赤くなっちゃったよ」目の前に出した手は真っ赤に染まっていた 「名前、手袋もってねーの?」 「・・・うーん、今日は忘れちゃったんだよね」 暫く無言で真っ赤な手を眺めた後、 シカマルは右手の手袋を外し私に渡す 「ほら、手ーかせよ。」 おずおずと手を差し出すと、私の右手に手袋をはめさせ 左手をポケットへと突っ込んだ 寒空の中で 「・・・冷てーな、名前の手」その一言は、暗い夜闇に溶けていった [次へ#] [戻る] |