Tales of O-dinal(テイルズオブオーディナル) ページ:2 街はホドルムとは違い、人々はちゃんと動いていた。街の正門近くには宿や薬屋など旅をして来た人間を迎い入れる施設が目に入ったが、一際目を引いたのは奥に見える建造物だった。 学校というような風貌ではなく、もはや神殿や教会といった形をしている。 しかし、あれこそがオーディリス学院という、魔術師を育成している魔導学院なのだろう。 ディーノは学院の中から魔気の歪みを感じ取る。すぐさま向かおうとしているとキサラが言う。 「まだ日が高いし、先に学院行ってみよっか」 キサラはまた笑顔でそう言う。 ディーノには何故彼女が自分に笑顔を向けてくるのか分からなかった。別にキサラが面倒だからそう思った訳ではない。いくら考えても何一つ【答え】が出てこないからだ。 「どうしたの?」 キサラが不思議そうにディーノを見る。 ディーノの方が身長が高いため、自然と下からキサラが見上げる形となる。 だがディーノは何も感じなかった。 【普通】の人間が感じる気恥ずかしさなどを。 「何でもない、行こう」 ディーノは一言そう言うと、キサラは頷き、ディーノの横に並んで色々と話をしながら一緒に学院へと向かった。 学院にいる魔術師からホドルムでの【現象】を聞くために。 [*前へ][次へ#] [戻る] |