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Tales of O-dinal(テイルズオブオーディナル)
ページ:8
すると大浴場の方から大きな物音が響いた。

「!?」

誰とも分からず、驚き、大浴場の入り口を見つめる。
そこでキサラが震え気味に口にする。

キサラ「誰か入ってて転んだ、とか?」

ルーギス「今の時間、大浴場はまだ入れないはずだ」

レイ「じ、じゃあ、清掃してる人が掃除道具ぶちまけたんじゃない?」

リスト「それは無いですね」

レイ「なんでよ!?」

レイがリストに向かって言った。
リストの発言に対してディーノも不思議に思い、理由を聞くとリストは答えた。

リスト「この船、いえ現在ある全ての船の設備は機械と魔気石による管理です。人の手が入るのは港にある間だけですよ」

そうリストが答えるとルーギスとリーナが頷いていた。
どうやら、本当らしい。



なら、ア ノ オ ト ハ ナ ン ダ ?




ディーノ「魔物の可能性がある」

ディーノはそう言うと大剣を構える。
そのディーノの一言でみんなハッとする。

リスト「そうですね、魔物なら倒しておかなければ」

リストが構えるとプルルが震えながらリストにすがり付く。
リストがプルルを見るとプルルは口にする。

プルル「何か・・・が」

そう言って怯えるプルルを見ながらリストはディーノを見て、ディーノは頷く。

ディーノ「リーナとキサラはリストとプルルと一緒に残っててくれ」

リーナとキサラが頷き、レイとルーギスはディーノの後ろをついてくる。
ディーノは先頭を歩き、大浴場の入り口から中へと入る。
入った先に赤い暖簾(のれん)がかかったドアと青い暖簾がかかったドアがあった。

ルーギス「どうする?手分けするか?」

ルーギスがそう言うが、レイは若干震えながらも神経を研ぎ澄ませる。
魔物だろう、というディーノの発言を受けてもやはり不気味さから来る恐怖は消え失せなかった。
だが、ディーノがいる。
一応ながらルーギスもいる。
外にはキサラ達がいる。
彼女は降りかかる恐怖を押し退け、神経を研ぎ澄ませて音と気配を探る。

レイ「?・・右から何か【擦る】ような音が」

ディーノ「右・・青の方か」

ディーノ達は青の暖簾がかかったドア、男湯へと足を運ぶ。
そこには脱衣所や様々な施設があり、奥のガラス戸の向こうに大浴場が見えた。

そして、その大浴場の中心にぼんやりと【影】が見えた。

ディーノ「いたぞ」

ルーギス「私が先に行こう」

そう言うとルーギスは背負っていた盾を構えて、大浴場への戸を開けた。
しかし、そこには【何もいなかった】。

レイ「どこに行ったの!?」

レイはそう言いつつ、神経を鋭くさせ、辺りを警戒するが、音も気配も拾えない。

ディーノ「?」

ディーノは視界の端が揺らめいたのが見えた。
しかし、その方向には何もいない。
その方向から目を背けると、またその辺りが揺らめく。

ディーノ「・・・」

ディーノはゆっくりと大剣の切っ先を床へとつけ、別の方向を見ながら、空間が揺らめいた辺りに向かって大剣を振り上げた。

ディーノ「魔神剣!」

ディーノがそう言うと、大浴場の床を水色の衝撃波が走り、揺らめいていた辺りで【何か】に当たり、【何か】を弾き飛ばした。

レイ「え!?」

ディーノ「何かいるぞ!」

ディーノはすぐさま距離を詰めるがその空間にそれはいない。
レイが目を閉じて、鼻をすんすんと鳴らす。

レイ(生臭い・・)

レイはその臭いの先を見る。
空間が揺らめいた!


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あきゅろす。
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