Tales of O-dinal(テイルズオブオーディナル) ページ:3 その頃、リストは住宅街のとある裏路地に来ていた。 その突き当たりにあった壁に手を当て、合言葉を呟く。 すると、壁に魔法陣が現れ、壁は人一人が通れる大きさの穴を開けた。 リストは何の迷いもなく、その中へと入っていった。階段を降りていくと、一人の男がたくさんの本や資料、食べ物や酒など様々な物に囲まれて、椅子に座っていた。 髪はなく、丸坊主だった。 その男はリストを見つけると、陽気な声を上げた。 ???「あれまー、リス坊やないか」 リスト「その呼び方、懐かしいですね、レドム」 リストがそう言った。 レドムは近くの棚を漁り、少し大きめの袋を投げ渡す。 レドム「見つけといたで〜例のもん」 リストはその袋から中身を取り出す。 そこには手の甲の部分に魔気石を埋め込んだ手袋と一冊の魔術書があった。 レドム「自殺しちまったリス坊の両親が使ってたもんや、探すの苦労したで〜」 レドムがわざとらしく手で肩を揉みながら、首を回した。 リストはその手袋を着ける。 初めて着けたのに妙なフィット感を感じ、魔術書もパラパラと見てから言った。 リスト「ありがとうございます、報酬は・」 レドム「あー別にええで、暇潰ししたかっただけやしな、じゃ、ワイ寝るで〜」 それだけ言うとレドムは奥にあったベッドへと潜り込んだ。 リストはもう一度、ありがとうございます、と言って頭を下げるとその場を後にした。 リストがまた裏路地に出るとレドムの隠れ家の扉は封印された。 リストが裏路地から出ようとすると、一人の小さな女の子がリストの前を横切った。 ピンク色のクマのぬいぐるみを抱えた女の子だった。 髪は少し青みがかった銀髪で、フワッとした髪形だった。 真っ白なワンピース姿でリストは一瞬、目を奪われた。 リスト「花園に向かった?」 リストはディーノ達と合流しようと考えていたが、そんなことは忘れて女の子の後を追った。 [*前へ][次へ#] [戻る] |