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Tales of O-dinal(テイルズオブオーディナル)
ページ:12
キサラ「えっと、メモリアイズってのはこのメモリアイズ用の魔気石(ストック)に自分の記憶を埋め込む事のできる代物で、記憶を埋め込んだメモリアイズは誰が持ってもその記憶を読み取れるのよ」

つまり、空っぽのメモリアイズ用の魔気石にその時入れておきたい記憶や思い出を残す事のできるフィルムのようなもので、人がそれを持つことで脳内にそれが再生される、ということだった。

キサラ「でもこれって、もうメモリアイズ用の魔気石の加工方法も、記憶の保存方法も確立されてて研究終わってると思うけど?」

キサラの言うことは真っ当で正解だった。
実際にメモリアイズの研究自体、現在ではほとんど行われておらず、すでにメモリアイズ用の魔気石も量産され、人々に広く供給されている。
だが、リストは自信のある笑みを口元に浮かべ、机の上にあったメモリアイズを手にとって答える。

リスト「キサラさん、メモリアイズから魔気は感じますか?」

そう言われてキサラは少しムッとした。そして反論する。

キサラ「記憶を読み取るときに魔気を感じるよ、本当に微量だけどね、あ、でも楽しい思い出とか見ると少し量は増えるかな。悲しいものでも感じるけど」

そう言うと、キサラはリストの返答を待った。
キサラの目には今さら何を聞いてるの?という思いが込められていた。

リスト「キサラさん、知ってますか?メモリアイズには、魔気は入ってないんですよ」

キサラ「え?」

キサラはリストの言葉が信じられなかった。
キサラはメモリアイズ用の魔気石に魔気が込められていて、記憶を読み取るときに使われているものだと思っていた。
キサラだけではない、恐らく供給を受けている全ての人がそう思っているだろう。

リスト「そして記憶を埋め込むときにも魔気は必要ありません。読み取るときにもです」

いきなり今まで自分の持っていた事実を否定されたキサラが困惑していると、リストはこう口にする。


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