Tales of O-dinal(テイルズオブオーディナル) ページ:6 「はっ!」 ディーノが素早く少年と距離を詰める。 魔術師とおぼしき少年は一瞬とも思える速度で迫ってきたディーノに驚く。 「さすが、ディーノ」 キサラがディーノに対して感嘆の声をあげたが、ディーノはすぐさま理解した。 少年は指をピッタリと付け手刀の形を作り、ディーノに向かって振るう。 ギイィィィン と、金属同士がぶつかる音がした。 ディーノはその手刀を大剣で受け止めていた。 少年の手は指先から肩にかけて発光していた。 「魔気を腕に付けて本物の刀みたいにするなんて・・・」 キサラは、自分も含めてレジスタンスの人間にあそこまで魔術を使える人間を見たことがなかった。 今少年は、得体の知れない存在とも同義だった。 「僕が魔術師だから、懐に入れば勝てるとでも?」 少年はそう言うと、もう一方の手をディーノに振るう。 ディーノはそれを体をひねってかわし、手刀と大剣のつばぜり合いもかわす。 「話を聞け」 ディーノは静かにそう言った。しかし、少年は顔をしかめながら、連撃をディーノに浴びせながら言い放つ。 「そんな無関心な声で言われて聞くと思うのですか!」 少年の連撃をディーノは受け流し続ける。 キサラは力の限り少年に叫んだ。 「いいから、話を聞いてえぇぇ!」 するとその声に一瞬たじろいだ少年をディーノは剣圧で吹き飛ばす。 [*前へ][次へ#] [戻る] |